物語は心の栄養素

アニメや美女ゲなど、”物語”で感じた想いを保管するためのブログです

小説「君の膵臓をたべたい」感想

文庫版「君の膵臓をたべたい」表紙 住野よる 双葉社

 

僕はこの本を選んで、読んだ。
運命とか、偶然とか、何となくではなく。
自分自身の選択で、本を開き、物語へ没入した。

この物語を通して感じた事や思ったこと、自分自身について振り返り、それを言葉にしてまとめていきたいと思います。

※ネタバレ・自分語りに注意!!!(笑)

 

「いまの自分は選択の積層の結果」

 彼女の言葉から僕は自分の人生の方向性のような、生きる上での考え方というか、何かそういうものが変革したような、そんな気持ちになれた。

「違うよ。偶然じゃない。私達は、皆、自分で選んでここに来たの。君と私がクラスが一緒だったのも、あの日に病院にいたのも、偶然じゃない。運命なんかでもない。君が今までしてきた選択と、私が今までしてきた選択が、私達を会わせたの。私たちは、自分の意思で出会ったんだよ」

 僕(筆者)が今現在、会社員として働きながら色んな縁から様々な物語を発見、摂取しながら生きているのは、今までの自分の選択があったから、と思えるようになった。今までは何となく運だとか、偶然だとか、誰かに勧められただとか、自分とは違うところからの力によって今がある、そんな気がしてならなかった。

 いま振り返ってみると今まで本当に様々な選択があった。

・小学校や中学校は家から近いところを選んだ
・親から勧められたスポーツをすることを選んだ
・高校は家から出来るだけ近い、無難な普通科を選んだ
・中学まで頑張っていた勉強を、少し怠ける道を選んだ
・少し沈んでいた気持ちの中で、マブラヴ*1をプレイすることを選んだ
・大学は自分のやりたい事に近いものを選んだ
・大学生活はそこそこに勉強しながら、楽しむことを選んだ
・バイクで北海道旅すること選んだ
・就活で入りたい会社を選んだ
・引っ越しして会社員になることを選んだ
・苦しいながらも辞めず、業務に取り組む事を選んだ
・君の膵臓を食べたいを読むことを選んだ

 詳しく選択を挙げ始めるとキリがないですが、今の自分を形作るのにどの選択も必須なものだと思う。1つの選択肢が違えば、絶対に今の僕はこの立場や役割にいない。

 自分が選んだ選択肢から出会えた人達は、本当に奇跡みたいな確率でしか出会えない。いま僕が知っている人と、僕を知っている人に、出会いに、感謝の気持ちがいっぱいになりました。ありきたりで陳腐な言葉でしか表せないけど、本当に、本当にありがとう。

 

 

「自分は草舟なんかじゃない」

 他人の影響が強いと思っていたことも、改めて考えると自分はどちらかを選んでいる。主人公の”志賀春樹”君も気付いたように、自分は草舟なんかじゃない。流されるのも、流されないのも、自分が選択して決めている。結果は自分の選択の積み重ね。

 流された結果ではなく、自らが選択した結果として認識することで、いまこの時間をより大切に、貴重なものとして思い過ごすことが出来るようになると思う。

 でもこれから何か辛いことやしんどいことがあると、きっと他責にして逃避しようとして、自分の人生を悪いものとして捉えてしまうから、そのときは自ら綴ったこの文章を読み直して、悪い方向に向かおうとしている自分の心をギュッと掴んで、良い方向に向けようと思う。そんな役割を果してくれれば、この文章を書いた価値があった。そんな気がする。

 この感想というか、気持ちの整理のためのというか、何かそういものであるこの文章を書くという選択をしたことで、僕の人生の何かが確実に変わっていく。書かないという、選ばなかった選択肢から変化していく。その変化が大きいものか、小さいものか、それは今はまだわからないけれど、きっと自分にとって良い変化だと信じている。

 

 

「生きること=誰かと心を通わせること」

僕にとって生きるとは?

 彼女から貰った言葉で、大切なことに気付かされた。

「生きるってのはね」
「きっと誰かと心を通わせること。そのものを指して、生きるって呼ぶんだよ」
(中略)
「自分たった一人じゃ、自分がいるって分からない」

 僕はここ1・2年前くらいからかな?自分は幸せに生きているんじゃないかってことを、ほんのりと自覚出来るようになってきていた。そしてその要因を言葉にして、彼女が示してくれた様に思えた。

 何故かというとここ数年で美女ゲの感想やアニメの感想をネットに上げ始めて、誰かが見てくれることで自分の想いと心を届ける。そんな事をしていると幸せになってきた気がする。リアクションを貰える数は他人様と比べると少ないかもしれないけれど、感想を書いて誰かと心を共有することは、彼女の言う通り”生きる”ということだから。

 心を通わせ生きること、僕は現実世界でそれを行う事が苦手かもしれない。主人公君ほど全然友達がいない訳ではないけれど、周りと比べたら少ない気がする。そして深い話を出来る人はもっともっと少ない。だから”生きる”ってことに希薄になっていたのかもしれない。

 主人公君が彼女の親友である恭子と関わる努力をしたように、もっと僕も他人と関わる気概を持ち、努力しないといけないとそう思わされた。

 色んな場所(リアルやネット)で”生きる”ことに努力し始めれば、もっと面白い人生になっていくんじゃないかな。今後は他人に関わる選択を積極的に選んでいきたい、そう自分のために。

 

大好きなシーン

 ”生きることは何か”を主人公君が彼女に尋ねた後の、初めての抱擁シーン。めちゃくちゃ大好き。

 なぜかって言うと他愛のない言葉を重ねながら、定義できない二人の関係性を確かめ合うために、互いの体温を交換し合うという言語を用いない気持ちの伝達方法をとっていることに心を奪われた(胸キュン不可避)。

 ハグはするけど、キスはしない。時間が足りないから恋人という関係性へと発展させず、二人だけの特別な繋がりであることを如実に示す素晴らしいシーンだと思った。

 他にもホテルで梅酒を飲みながら”真実か挑戦”をするシーンも好きだなぁ。

 

 

「何でこの本を手に取ったか」

(注意)ここからは完全な自分語りです、暇な人だけどうぞw

この本との出会い

 まずこの本の存在を初めて知ったところから、振り返っていこうと思います。最初に知ったのは大学生の時、よく一緒にいた友人が読んでいる本の題名を聞いたのが始まり。

 「君の膵臓をたべたい」って題名だけ聞いて、カニバリズム⁉怖!って思ったのを今でも覚えてます(笑)、今思うと死ぬほど失礼だな…すまん友人よ。

 その友人は絵を描くことが好きで、つまんない講義時間や合間時間を縫って、常にクロッキー帳に人物デッサン?(絵詳しくないのです…)を書いていました。人づてで聞いた話ですが、そんな友人はいま漫画をどこかで連載?しているらしいです。

 連載の話を聞いた時、夢を叶えるための努力を辞めなかった友人と、草舟の様に生きてきた僕(本当は違うけど)とは、現時点で雲泥の差があることをまざまざと見せつけられた。友人はこの物語を咀嚼して、自分に与えられた時間が如何に貴重なものであるかを自覚して行動した結果が今なんだな、としみじみと感じました。

 

本を開くきっかけ

 きっかけを時系列順に、全て明確に説明しようとすると色々と大変なので(笑)、端的にまとめると以下が主な要因。

  • 日記を書き始めたこと
  • 物語の感想ブログを始めたこと
  • あらすじが今の自分に刺さったこと

 自分の感じた想いを言葉として残したいと意識した結果、本ブログを開設し、そして最近日記も始めた。そしてふと「君の膵臓をたべたい」のあらすじを改めて見たときに、”共病文庫”という日記帳がキーアイテムとなっている物語であると認識する。何か自分の道筋を照らしてくれそうな、そんな気がして本を開いた。

 他にもFAVORITEさんの「いろとりどりのセカイ」シリーズ*2を完走したタイミングだったということや、美女げーマーとして尊敬している配信者双葉みささんの「サクラノ詩-櫻の森の上を舞う-」感想*3で述べられていたことも、本を開くために大きく影響を受けました。

 

 

「さいごに」

 僕にとってこの本が心に深く楔を打ち込んだからか、自分語りが多くなってしまった気がします(反省)

 感想を書き終えて、言葉に残すことがどんどん好きになっている自分を、自覚出来て嬉しい気持ち。

 

 ホントに最後ですが、ここまで読んで頂いた方にありがとう。少しでも僕を認識してしてくれる人がいるからこそ、僕が存在しているって事実に改めて感謝してます。

 気持ちは伝えられるときに、大切な人に届けなきゃね。

 

 

 

 

 

「自分用メモ」

【◯◯】くん 推移
主人公の認識する彼女が主人公をどう思っているか、彼の主観で想像した関係性。

①地味なクラスメイト
②秘密を知っているクラスメイト
③仲のいいクラスメイト
④仲良し
⑤?????
⑥ひどいクラスメイト
⑦仲良し
⑧?????

5項と8項のハテナは主人公自身も彼女との関係を定義出来ていないことを示す。彼女の遺書にあるようにお互いに関係性に名前を付けたくなかった。二人だけの特別な日常と関係性を保ちたかった。

*1:âge_2006年_マブラヴオルタネイティブ:いまの僕の大部分を構築する大切な物語の1つ、高校生の時にPS3版をプレイ

*2:FAVORITE_2011年_いろとりどりのセカイ:様々なセカイとキャラクターで描かれる、日記や記憶、小さな魔法を題材とした優しく心温まる美少女ゲーム

*3:双葉みささん:「サクラノ詩-櫻の森の上を舞う-」感想

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