物語は心の栄養素

アニメや美女ゲなど、”物語”で感じた想いを保管するためのブログです

ノベルゲー『イハナシの魔女』感想

『イハナシの魔女』 
 公式HP:https://fragaria.info/ihanashi/

 

王道的な恋物語

沖縄の青い海・遠隔の離島・島の風習

何かを選び行動する、その先の結末はきっと

 

「基本情報」

・プレイ時間:約10H

・流れ:プロローグ→アカリ編→紬編→リルゥ編

・一本道、分岐する選択肢なし

琉球神道をベースとしたSF物語(魔法もあるよ)

・キャラ一人一人が生きている、無駄なキャラは誰一人いない

・主人公を除く主要キャラ(5人)はフルボイス

 

以降ネタバレ注意!!!

 

 

『アカリ編 感想』

「夢に向かって頑張る最強美少女」

幼馴染で仲の良いキリコをだましてでも、自分の夢を叶えるために行動する。決意の固さ、夢の大きさ、そんなものが伝わってきた。

でも妃里小はそんなアカリの事を見抜き、ツーブロック(兼城)を仕向けて島外脱出を手助ける。

妃里小自身は島の運命に流されたとしてもアカリを常に見て観察して、気に掛ける。他人を一番に大事に出来るめちゃくちゃいい子(大人だなあ…

 

「繊細な乙女心!」

アカリは光との出会いのエピソードを覚えてる。ホタルを見に行って迷子になり、二人で手を繋いで帰ってくる。その大切な思い出をしっかりと覚えている(光君…覚えてないせいで、美少女の心が泣いてますよ!

オーディション前日の夜のお散歩の帰り、アカリは半歩後ろで光のパジャマをつまんで帰る。
真横に並んで手を繋いで帰るではなくて、後ろから付いていく。恋人の様な関係性に踏み出せないアカリ。恥ずかしがって、それでも光から離れたくなくて、絶妙な距離感(可愛いかよ、この美少女は!!!

そしてアカリがオーディション結果の電話を出るとき。不安になって、その怖く恐ろしい気持ち心を誤魔化すために光の手を握る。もう我慢出来なくなってしまった様な、そんな心情(オーディション前は手を握れなかったから対比がよき

 

「その他」

・光の事が好きかどうかで悩む姿も良かった

リルゥと好きとは何か議論し、三角関係の様な状態に。光の事を考えて悩む姿が最高に乙女してた。美少女アイドル声優として成功して欲しいし(笑)、彼女個人としても幸せになって欲しい(誰かアカリちゃんも救って下さい…

 

・オーディション審査員のハマーン様のくだりは笑った。ロボットアニメ好きだからね、仕方ないね(笑)

 

・光がアカリを放置?

光がアカリの好意に気付いていても、光から関わろうとしないのは目の病気のせいだと分かり一安心。光が理由なくアカリを放置しているのなら、僕が光を沖縄まで殴りに行くところでした…(笑)

 

あ、大事なこと!

ピース顔めちゃ好き!!!!!!!

 

 

『 紬編  感想』

「頑張ることに追われている」

おばあちゃんから貰った手帳、そこに大人としてのあるべき理想的な姿を書かれていた。おばあちゃんが亡くなった贖罪から、具体的な形がありもしない高潔な大人になるため仕事を探していく。

しかし手帳に記した内容は、聞こえの良い他人の言葉、それに従っても自分の未来は拓かれない。

自分自身の意思で、選択で、歩んでいくにはおばあちゃんと手帳との決別が必要だった。

 

「紬を救うには」

紬を救うにはリルゥの力が必須だった様に思える。リルゥがいないと紬を救うこと(おばあちゃんからの決別)が出来ないのでは。

貰ったお金が那覇で詐欺にあったこと、おばあちゃんの死期に立ち会えなかったこと、それら全ての許しをおばあちゃんの口から直接伝える以外に何か方法があったのかな…(リルゥ本当にありがとう

 

「関われない主人公」

光は紬編ではいまだに人と深いところで関わることを避けている。紬の手帳を自らの手で破れていないこともそう。育てられた境遇から自分から他人のために動く、その動機が得られにくいのでは。

紬からの「君は調子のいいことばかり言うピエロだもの」ってセリフにゾクッときた。紬もよく光のことをよく分かっている、境遇がどこか似てるからかな。

 

「その他」

まさかのリルゥと同じ異世界人で戦士、怪力が伏線だったとは。

記憶を無くしたゆえに常識の抜け落ちた少し不思議な人だな、くらいしか思ってなかった(本当に驚いた、ライターさんすげえ…

 

 

『リルゥ編 感想』

「リルゥの大切なものが移り変わる」

彼女自身の人生を掛けるほど大切な家族。売り飛ばされ奴隷となり、それでも諦めずに故郷に帰るため、戦士となるため、魔女という力を手に入れる。全て家族のための行動の結果が、沖縄の離島で光と出会うことに結び付く。

そしてリルゥと光は出会い、段々と気持ちが遷ろっていく。リルゥは初めて自分を大切にし、向き合ってくれた光に少しずつ惹かれる。そして夜の公園でもブランコのシーンで、家族を捨てる覚悟を決める(本当にこのシーン好き

夜のブランコを漕ぎながら、二人は決意を固める。光はリルゥの呪いを解くこと。リルゥは光の目の病気(好きな人に近づくと見えなくなってしまう)を直すこと。

リルゥの自分の余命が分かっていてもなお、光という他人のことを思いやれる願いを持つその精神性に心打たれた(尊い心にもうね…涙が溢れたんですよ

リルゥの一番大切なものが光に変わっていくのを見て、何だか純粋でキラキラしてて、美しくて、沖縄の青い青い海の様にどこか眩しかった。

 

「王道ストーリーの良さ」

王子様はどんな壁(生死の境)を破ってでも、お姫様を助け出すもの。
それが恋物語の原初で根幹。この物語はどこまでも忠実で、誠実で、王道で、だからシンプルに心に響く。

そして結ばれた二人の姿を見れるだけで、心があったかくて幸せになれる。

世界なんか、精霊だとか、そんなものよりも自分の大切な人のために。選び、行動して、その結末と結果を自覚する。誰かを選ぶって、重い決断。

 

「END後のタイトル画面」

二人とも左手の薬指に結婚指輪つけて、優しく抱き合う姿を見るだけで幸せ。

夏の庭に洗濯物を干しているのが、二人が実際に生活していることを感じられて、生きててありがとうってなる(尊死

 

「あなたは何がしたい?」

度々みんなに問うて回るリルゥ。人の本質は何を言ったかではなく、どんな行動をするかで決まる。

僕(筆者)がリルゥに何をしたいか、と聞かれたならこう答える。

「好きな物語への感想という愛を描き続けて、面白さを深めていきたい」

感想という行動のアウトプットを積み上げる。そしてそれが積層した結果はきっと、僕のカタチをしているはず。

 

「光の病気」

光の好きな人に近づくと目が見えなくなる病気。要因は心理的、精神的なもの。

発症の直接的な要因は語られていなかった気がするが、両親の死(事故死だっけ?)を目の当たりにしてしまったからかなと推測。

大切なもの(恋人や家族)をつくってしまうと、それを失った時の辛さが帰ってきてしまう。光自身それを避けるために人の感情に触れないようにしているし、好きな人に近づいてしまうと物理的に視界がシャットダウンしてしまう。防衛本能のようなもの。

リルゥと目の病気を乗り越えたってことは、辛いことを知ってもなお、一緒にいたい、辛さを超える幸せを得たいと本気で思えたからかな。

 

「その他」

漫画の女の子に嫉妬するリルゥ可愛い

料理を光に褒められて嬉しくなってるリルゥ可愛い

リルゥの全部が可愛い(精神崩壊

 

ふう、一旦美少女アカリを考えて落ち着こう。

アカリが東京へ旅立つシーン。色んな想いを秘めて、光からの「頑張って」という言葉だけを要求する。謙虚で、空気が読めて、可愛くて、実は素直で、本当にいい子(幸せになって欲しい

 

リルゥもアカリも大好きだなあ…

 

『その他感想』

「キャラクター全員を好きなった」

【兼城(ツーブロック)】

人情溢れてて好き。終盤でリルゥと光を会わせるために、単身で乗り込んで感情を爆発させているシーンに心打たれた。

ヤンキーっぽい見た目して、中二病で、アニメ好き。ギャップ萌えってやつかな(笑)

そういえば紬に破壊されたサーフボード、店長にどう説明したんだろう…?w

 

【妃里小(キリコ)】

いつも冷静で今現在の配られたカードで、やれるだけのことをやる。本当にカッコイイ。行動が大人だ。

 

「BGMの良さ」

どこか異国情緒が漂ってて、沖縄の離島という雰囲気を感じる。

聴いてて心安らぐものが多かった。

サントラ発売はまだですか、フラガリアさん?

 

「イハナシの意味」

沖縄の方言で「言い伝えのような、教訓的な話などに主に用いる言葉」らしい。

琉球神道がベース、歴史あるこの物語にピッタリな感じ。

 

 

『さいごに』

まずフラガリアさん、
素晴らしい物語をありがとうございました。

 

さいごに、てきとうに想いを書きなぐります(笑)

同人ゲーにはあまり手を出せていない筆者ですが、こんな物語を見せられると色々物色したくなります…!

丁寧な王道ってやっぱり良いですね、特にリルゥとアカリがお気に入りです。

 

あと最初の選択肢とラップバトルは笑っちゃいました。

アカリちゃんのジト目に見つめられ続けたい(キモイ

 

物語の中核成す、狭い村で力をもった家と宗教について。

イノグレさんの「虚ノ少女」や「ひぐらし」を思い出しました。

こういう狭い環境での陰湿な感じの物語好きだなあ。

(実際に遭遇したくはないですが…w)

 

 

さいごの最後に、
ここまで感想を読んでくれた方
ありがとうございます!感謝です!!

 

全年齢ですし、
みなさんの力で頑張って
全人類へ布教していきましょう!(笑)