画像引用元『宇宙よりも遠い場所』公式HPより
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「どんな作品か」
居場所は関係ない
四人の少女達の関係性
南極という未知への旅路
進化し、変化する日常系の傑作
「誰にお勧め?」
いまの日常にモヤモヤする、
ここでは無い新しい何処かへ行きたい。
そんな気持ちを持っている人におすすめです!
以下内容のネタバレあり、注意!!!!
・「よりもい」本編
・「ゆるキャン△」TVアニメ&劇場版
・「スーパーカブ」TVアニメ版
『2018年日常系、変化の兆し』
2022年8月現在、世間は「リコリコ」で大盛り上がりの今日この頃。僕は気ままに「よりもい」三回目をBDで視聴したので、いま感じた事をまとめていきます(笑)
「友達って何?どこからが友達?」
日常系のアニメにおける友達の存在、大切ですよね。可愛らしいキャラクター達がみんなでワチャワチャする感じ。
でも友達の境界線って難しい、そして昨今のアニメを見ていると、その境界線の位置が変化している様に思える。
まずその変化っていうのは
一緒に居ることが友達の必要条件という関係性
⇒一緒にいなくても、色々な方法で繋がっていて、尊重し合える関係性
そういうものへ変化しているように思える。
それは一体何故か。2018年からのアニメを追って説明していために、まず関係するアニメを放送年順に並べてみる。
- 『宇宙よりも遠い場所』 2018年冬
- 『ゆるキャン△ TVアニメ一期』2018年冬
- 『ゆるキャン△ TVアニメ二期』2021年冬
- 『スーパーカブ』 2021年春
- 『映画 ゆるキャン△』2022年夏
僕が思うに「よりもい」本編13話でのキマリが一番大切な事を言っている。
「一緒に居られなくても、一緒に居られる」
これが全ての始まりだった様に思える。
「”よりもい”が描く関係性」
ちょっと「よりもい」本編の話をします。
変わることが怖かったキマリ。でも何か新しい事をする(=青春)をしたくて、旅をしたくて。それを打ち破ってくれたのが報瀬との出会い。
どこか退屈な日常を打ち破ってくれそうな”南極”という言葉、宇宙よりも遠い場所に興味が惹かれて物語は始まっていく。
そして日向や結月と出会い、南極行きを勝ち取り、旅へ出る。
その旅の中で
キマリはとびっきりの青春をして、
報瀬はお母さんの死と向き合い、
日向は自分の過去と嫌な自分と向き合い、
結月は初めての大切な友達を見つけて、
めぐっちゃんはキマリと決別して北極へ行き、
大人たちは自らの目的に真摯に向き合い行動した。
南極への冒険の先で、四人は大切な友人を見つける。でも旅はいつかは終わる。終わった先で一緒に居られる時間は限られる、でも一緒に過ごした南極への冒険の記憶は決して消えない。その煌めき溢れた記憶がある限り、四人の繋がりは無くならないと思う。
南極から帰ってきて、それぞれの日常が始まる。
キマリはめぐっちゃんとの関係を新しく構築するだろうし、
報瀬は多分次の南極行きを考えるだろうし、
日向は大学入学へバイトと勉強に精を出すだろうし、
結月はドラマの撮影に臨むだろう。
こうしてバラバラになって各々進みたい道に進む、でも南極で結んだ関係性は途切れる事無く、続いていくんだろうと妄想する。
そしてその妄想が妄想でないことを示してくれたのが「映画 ゆるキャン△」だと思う。
「”映画ゆるキャン△”が描く関係性の未来」
ここからはゆるキャン△タイムだ!!!(迫真)
野クルというキャンプサークルを通して繋がった、なでしこ、しまリン、千明、あおい、恵那の五人。高校生時代の大切な時間に色々な場所でキャンプをして、時間と想いを共有させていき、関係性を紡いでいった。
そして五人が大人になっても、キャンプが紡いだ関係性が時間が経過して、生活が否応なく変化した大人になったとしても繋がっていること、それを描いたのが『映画 ゆるキャン△』であると感じた。
千明の「自分たちでキャンプ場作ろうぜ」の一言から、各県に散った野クルメンバーが集まってくる。
そしてそれぞれの持つ縁を生かして、自分たちのキャンプ場を創り上げていく。
なでしこはキャンプ用品店の店員としての縁、
しまリンはライターとしての縁、
千明は観光課としての縁、
あおいは小学校の先生としての縁、
恵那はトリマーとしての縁。
キャンプ場を創り始まるまで、五人それぞれが疎遠であった時期もあるんだろうけど、一度構築した関係性が無くなる事はないんだな、そう思わせてくれた。
よりもいの四人も疎遠な時期はありそう、絶対にどこかのタイミングで結月はごねる、間違いない(笑)
「スーパーカブから紡がれる関係性」
ここからはスーパーカブタイムだ!!!(迫真、本日二度目)
ホンダのスーパーカブという世界で最も生産されたバイクを通して、紡がれた関係性を描くアニメが「スーパーカブ」。
趣味も、親も、お金もない、何も無い主人公の小熊がスーパーカブを購入したことで、礼子や椎と出会い周囲と関係性を持ち始める。
バイク乗り故にお互いに過干渉になり過ぎない程度、いい感じの距離感で仲を深めていく。
特に印象に残ったのは礼子が夏休みにハンターカブで富士山に登ろうとしたこと。自分のやりたい事を小熊や椎を巻き込まず、粛々とする。とてもバイク乗りっぽい。
僕もバイクに乗るがマスツーリング(誰かと走ること)は基本しない、ひとりぼっち。でも友達とどこかに行った話や、撮った写真を見せ合うことがとても好きだ。
何だか自分語りになってる…w
バイク、好きだからね、仕方ないね(笑)
バイクはタンデム(二人乗り)も出来るけど、やっぱり基本は一人。友人とは同じシートには座れない。
各々感じた感情と情報を共有する付き合い方がちょうどいい。
「結び」
スーパーカブでかなり脱線した様な気もするけど、「よりもい」も「ゆるキャン△」も「スーパーカブ」も関わり過ぎない、でも縁はあるからどこかで繋がっている。
そんな関係性が新しい友達の定義へと変化している、と思う。
SNS時代の到来・TV離れ
終わりの見えないコロナウイルス
リモート環境の拡大
色々な要因から、直接出会わず繋がるような社会への変化を肌で感じる。
それに伴い現実社会でも友達の定義は、刻々と変化していっている。
この文章を書いて、物語から現実を直視する良い機会となった。
『旅で得られるものとは何か』
悲しいけど、旅で得られる物理的なものは何もない
けれど旅先で出会った縁や経験は持って帰れる
よりもいを見て、旅とは何か、感じたことを三つにまとめた。
- 辛くてしんどいもの
- 知らないことを知れるもの
- 縁と経験と思い出が得られるもの
「辛くてしんどいもの」
南極へ向かうのに波の荒い海域を通り、胃の中のものを一度空っぽにする必要がある。それと旅先の南極自体、気を抜くと一瞬で命を落とすこともある(報瀬母のように)。
前者の船のキツさは僕も経験がある(よりもいほどではないけどw)。大学生のときフェリーで北海度まで行ったことがあるが、約24時間フェリーの上(舞鶴→小樽)は本当に辛かった。
寝転がっていても永遠と内臓がシェイクされる感じで、とても気持ち悪くなる(今となってはいい思い出)。でも船の甲板から見た青一色の世界、海と空と船それ以外存在しない特別感、貴重な体験を得られる。
辛くてしんどいものほど、記憶に残るので、旅のスパイスみたいなものだと思えば良いのかな?(笑)
そして辛いところだけを煮詰めると、メイドインアビスになるわけです(アビスについて後述)
「知らないことを知れるもの」
僕が旅をする理由でもある(突然の自分語り)
それはさておき、最終回の最後に四人が語る以下の言葉が全てを表していると思う。
以下セリフそのままーー
旅に出て、初めて知ることがある
この景色がかけがえのないものだということ
自分が見ていなくても、人も世界も変わっていくこと
何もない一日なんて存在しないということ
自分の家に匂いがあること
それを知るためにも足を動かそう
知らない景色が見えるまで、足を動かし続けよう
どこまで行っても世界は広くて、新しい何かは必ず見つかるから
ちょっぴり怖いけど、きっと出来る
だって、同じ想いの人はすぐ気付いてくれるから
ーーーーーーーーーーー
ちなみに三回目の視聴だというのに、僕は報瀬の「知らない景色が見えるまで、足を動かし続けよう」の部分で大号泣しました…(笑)
多分、自分の今までの行動が間違ってなかったんだな、ということと、今後の人生が示されていることに気づいたからだと思います(多分
自分語りが多くなりすぎてますが、劇中セリフの意味をまとめると
今過ごす日常も一歩外に出ると貴重なものかもしれない、それに気付くためにも怖いけど足を動かして知らないところへ行き、新しいものを見つけよう。そうすれば今の日常の尊さにも気付くことが出来るし、知らなかったという事を知れる。
ことだと思う。
まあつらつらと、ややこしいことを書いているかもしれないけど、「引き籠ってないで取り敢えずどっか行け」って事に尽きると思う。横暴かな?(笑)
「縁と経験と思い出が得られるもの」
旅で彼女たちが得られたものは以下。
・縁:南極観測隊である大人達との関係性の構築
・経験:白夜、海流、地軸の傾き、大人のルール
・思い出:四人で培った関係性
旅をすると普通では得られなかった、人との縁が生まれる。「よりもい」でいうと南極観測隊の大人達が顕著だろう。そこから個人を掘り下げていくと、結月のファンが居たり、給食のお姉さんが居たり、残した恋人のことばかり気にしている人が居たり、様々。
多様な人と縁を繋ぐことが出来る、それが旅。
旅をするといつもはやらないことをしたり、いつも気にしなくていいものを気にする必要がある。そこから地形や、気象、特産物、美味しいもの、様々なことの経験を積むことが出来る。
経験を積むことで知識が得られる、それも旅。
旅をすると他人にとってはどうってことの無いけど、自分には大切な思い出が得られる。四人の関係性が顕著、他人から見るとただ一緒に南極に行っただけの集団に見えるかも知れないけど、四人によってはその時得られた関係性で強固に結ばれている。
自分の頭の中に一番大切なものが眠る、それも旅。
『雑多な感想』
いろいろと硬く書きすぎた気がするので、自分語りを含めて、ここからは気ままに書いていきます。
「自分にとってこの物語は何か」
まず視聴して思ったのが、やっぱりこの物語が大好きってことに改めて気付いた。
三回も見て、それでも泣いてしまうって、それだけ好きだし自分に刺さる物語なんだなあと実感(笑)
この物語は「旅」・「友達」にフィーチャーされてて、今現在僕が生きる上でどちらも凄く大切な要素だと思ってる。
「旅」については高校生でロードバイクに目覚めて、大学生でオートバイに目覚めて、社会人で車に目覚めて、いつもどれかの乗り物でどこか知らないところに行くことばかり考えている(会社では絶対にGoogleMapを開いてはいけない、時間が消える)
「友達」については、僕の人生の中で人数は他人と比べれば決して多くはないけれど、大切な繋がりは沢山ある。どれも無くしたくないもの。自転車友達、バイク友達、ゲーム友達、お酒友達?、色んな縁があってどれも僕には稀少なもの。
「好きなキャラクターについて」
みんなは誰が好きですか?
僕は女子高生組だと日向、大人組だと鮫島さん(料理担当の人)かなあ。
日向が好きな理由は、暗い過去を持っていたとしても、それを覆い隠さんばかりの底抜けの明るさがあるから。
あとは皆が暗い雰囲気になった時に、何とかなるって前向きに全体をしてくれるところ。僕にはその能力が無くて暗い方向に進んでしまうから、日向みたいな人が居てくれるといいなあってしみじみ思う。
日向名言「引き返せるうちは旅ではない、引き換えせなくなったとき、それは旅になるのだ」
⇒この言葉好き、不可逆、戻れない覚悟を決めてかかれってこと
てか日向ってお日様が当たるところじゃん、ピッタリな名前だなあ…本当にすき。
鮫島さんが好きな理由は、食堂のおばちゃんっぽいところかなあ、おおらかで誰の悩みも受け止めてくれそうで(おばちゃんって言ったら死ぬほど怒られそうだけどw)
高校生組にも優しく接していて、ゆとりある大人っていいなあってなる(語彙力
あ、めぐっちゃんも大好き!
人間綺麗なだけではない、っていうのが伝わってくるから。
「旅繋がり、メイドインアビスについて」
本記事で散々「旅」に関して書いてきましたが、これまた大好きで旅という言葉と切っても切り離せないメイドインアビスについても、近々語りたい。
メイドインアビス2期が終わったら書こうと模索中。
アビスは毎週毎週、観るごとに発見と驚きで心が揺さぶられ続けています(笑)
本当に素晴らしい物語、旅の辛さの表現が素晴らしい。
辛いから、悲しいから
嬉しいこと、生きることが輝く。
『さいごに』
ここまで読んで頂いた方に感謝申し上げます。
本当にありがとうございます!!!!
日常系アニメと友達の境界線の進化と変化という、切り口で書いてみました。ご意見やご感想あれば気軽にコメント頂けると、飛び跳ねながら喜びます。
またブログを始めて、早くも一ヶ月が経ちました。
キーボードで文字を打つことが好きになってきたました。カタカタ音をたてとタイピングして、気持ちが綴られていく。感じた思いがより明確になり、書いて気付く。
楽しいですね、書くって。