物語は心の栄養素

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美女ゲ『9-nine- ゆきいろゆきはなゆきのあと』感想 ~プレイヤーを巻き込み展開する、タイムリープバトルモノのフィナーレ~

ぱれっと『9-nine-はるいろはるこいはるのかぜ』
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『あらすじ』

翔が希亜と交流を深める事を選んだ世界の物語。

全ての元凶であるイーリスを打倒するため、
タイムリープの力を使い最善の未来を勝ち取るべく翔は行動を重ねる。

9nine最終作として、プレイヤーに驚きの連続が待ち構える。

 

【 ↓ 公式サイト様 ↓ 】

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以降、ネタバレ注意!!!

※感想は概ねプレイ時の時系列順です。
 解釈違い等があるかもしれませんがご容赦を。

 

 

『希亜のギャップ萌え』

妹を殺した悪人を許せないから、希亜は理想の自分を演じて真面目に生きていた。
その生き方がずっと板についていたため、自分の弱さをさらけ出す事に極端に恐怖を感じていた。

そんな希亜が翔に自堕落に過ごす事やホラーが嫌いなところを見せたりしているところが、クールだった希亜の印象から正反対で可愛らしいなって思った。

それと翔が天に雑に接する様に希亜にも言葉遣いが荒くなるところから、翔と希亜の仲が深まっているところを感じれるのもよき。

 

希亜と翔の距離の詰め方がよき

希亜は翔と男友達の様に接していたが翔の家に行き素の自分を晒すことが増えた。
翔もそんな素の可愛らしくあざとい小動物の様な希亜を見て、希亜にどんどんと惹かれていく。

そして希亜が翔へ”一緒に寝よう”と大胆なアプローチをし付き合う事となり、そのままの流れでえちちシーンへ。

時間だけ切り取れば急な展開かもしれないけど、以下のセリフである様に希亜と翔はイーリスとの戦いを控えており、なおかつ希亜は大切な妹を亡くした経験から今を逃す事を嫌っている。

希亜
「……せっかちなのは、認める」
「けど……幸せって、前触れなく……
 唐突に消えてしまうから」
「……先延ばしに、したくない」
(中略)
「失敗するつもりはないけど……。
 でも……イーリスに負けてしまう未来が、
 この先待っているかもしれないから」
「今できることは……全部、今……したい」

だから↑の希亜のセリフに重みがあって、二人が結ばれる流れが凄く自然で納得感があって良きだった。

 

『希亜のイーリスダミーを殺した時のセリフがカッコイイ』

イーリス本体ではないダミーだけど、希亜がジ・オーダーを起動するシーンが彼女の過去と決意が全て露われていてめちゃ良かった。

希亜
「そうね……。怖いわ。
 死という概念を、私はずっと恐れてきた」
「妹を失った、あのときから」
「そして、それと同じくらい……憎んできた。
 秩序を軽視する者を。
 あなたのように……人の命を軽んじる者を」
「恐怖も過去も、乗り越えた。
 未来を進むために……私は」
「あなたを討つ!」
「ジ・オーダー……アクティブ!」

殺す事を嫌悪していた彼女がそれを乗り越え、イーリスを討とうとする姿に胸を打たれた。

 

『イーリスと与一との最終決戦が胸アツ過ぎる!!』

死んだと思われたイーリスがオーバーロードを使い、過去へ舞い戻り翔達を追い詰める。
そして翔は片腕を失い死にかけの希亜を片手に抱きながら、希亜との交流を深めた大切な枝を放棄するがその先でも与一にヒロイン達を殺し続けられる。

そんな絶望的な状態(枝Aと呼称)でも翔は諦めずに全てのイーリスを殺す策を練った、それは以下の様なもの。


  1. ヒロイン達の幻体を作り出す
  2. プレイヤー
    オーバーロードを使って他の枝(世界線)のヒロインに記憶をインストールし、各々の枝からヒロイン達が「枝A」の本人の幻体に同調
  3. プレイヤー
    世界の目を持った沙月先生とソフィーティアのイーリスとの繋がりを利用し、過去・現在・未来、全てのイーリスという存在を「枝A」へ繋ぐ
  4. 希亜
    「枝A」で全てのイーリスに繋がった状態のイーリスをジ・オーダーで消滅させる

以上のように、翔と結ばれた枝のヒロイン達が翔に協力し、協力してイーリスを倒すという物語展開が胸アツ過ぎて最高だった!!!

 

それと個人的に思ったのが、物語内で語られた”翔の能力がアーティファクトの力を引き出すこと”というのが、オーバーロードを持つプレイヤーにも適応されていると感じた。

なぜなら上記したイーリスを殺す策をプレイヤーは(僕自身)思い浮かべられず、翔に導いて貰いプレイヤーとして各枝に干渉していった。
その結果がまるで、翔が銃を作りプレイヤーにその銃のトリガーを引かせた様な、そんな不思議な体験だったから。

プレイヤーという存在をシナリオ内に組込み、なおかつ物語内のキャラクターにプレイヤーである僕が動かされるという面白い体験を出来て、とても楽しかった!

 

『ラストシーンの選定できていない枝について』

恐らくシリーズ1作目『ここのつここのかここのいろ』で、都が自分の力を使い過ぎてスティグマ浸食を受けている描写で終わった枝の事だと思う(少し1作目をプレイし直しほぼ確信しました)
都は翔と結ばれて一見幸せって感じだったが、最初の頃は浸食などの知識が少なくここから不幸な未来になる可能性が存在するから。

 

 

【各キャラ感想】

1作目~4作目までを通して、個人的に各キャラに感じた事をまとめます。


  • 仲間のために幾度となく死に戻って、皆が生きる枝を必死に探し求める姿がかっこよかった!
    世界線を移動したり、未来を知っていたり、未来と違うことが起こり戸惑ったりなどが同じタイムリープものの主人公として『マブラヴオルタネイティブ』の武ちゃんの姿を思い出して、未来に向かって足掻く主人公っていいなって再度実感させて貰いましたね!!
    それと美少女ゲームの中でもかなり好きな主人公と一人になりました!
  • 希亜
    妹を亡くしてしまった過去を背負い、常に高潔であり罪を裁こうと自分の外面を取り繕い、一生懸命に生きる姿に感銘を受けました。
    翔だけには自分の本当の姿をさらけ出して、部屋でだらだら堕落を貪るシーン(スイッチしながらお菓子を食うシーン)が特にめちゃ好きでしたw
    それとスティグマが目に浮かぶのがコードギアスのギアス味があって、厨二心がくすぐられて最高でした!w

  • 都は本当にいい子でしたね……
    イーリスでの戦闘でも自分の判断で機転を利かせて、積極的にアーティファクトなどを盗もうとしているなど、自分の出来ることを常に考えて行動できる良い子だなって感じました。
    あと何だかんだ言っても、1作目のえっちい姿が忘れませんねw

  • 4作目まで天の明るいノリにはたくさん笑わされましたし、翔と罵り合うシーンはどれも楽しかったです(無限に続けて欲しいし、無限に見たいw)
    あと翔とはアホなノリをする事が多いけど、天の根っこの部分にはお兄ちゃんである翔を心配しているところが言動の節々から感じて、優しい子だな…ってしみじみ感じます
  • 春風
    個人的には他のヒロインと比べて印象が薄い…(春風好きの民には申し訳ないですが)
  • 与一
    1作目の時点では美少女ゲームによく居る仲の良い親友ポジなんのかと思ってたら、実質ボス枠だったことに驚きました。
    あんな可愛い顔でケロッと残虐の限りを尽くす所が彼の生き方で、そして僕を含む普通の人では彼を理解できだろうって感じました。
  • 蓮夜
    厨二病全開で敵であった時も、味方だった時も見ていて楽しいキャラでした!www
    きっと僕と同じく多感な時期にコードギアスルルーシュを見て、厨二心をくすぐられたんだろうなって思うと言動からどこか共感を覚えますw
    それと彼が敵味方の入れ替わりが激しかったのも、純粋に与一を思っての事というのが理解でき優しい奴だなって感じました。

 

【さいごに】

やっぱりタイムリープ・バトルもの最高!!!

僕は『マブラヴオルタネイティブ』が好きなのですが、9nineマブラヴオルタから政治的内容、非常に多岐にわたる詳細設定、超絶長いプレイ時間っていう要素を抜いた気軽にプレイ出来る非常に素晴らしいタイムリープものって感じの印象を受けました!
世界線移動が絡むと物語は難解になる傾向がありますが、9nine世界線のフロチャート説明もあったり、取っ付きやすさと明瞭さに強みがあると感じました。

その他だと9nineで面白く特異だった点は何と言っても、選択肢を用いプレイヤーを物語の中に直接的に参加させる点だと感じました。
最初は世界線の移動は主人公である翔の能力と思わせながら進行していく中で、世界線移動能力(オーバーロード)はプレイヤーの能力である事が判明し、驚きと共に深い物語への没入感を得ることが出来たと思います(はれっとさんと、かずきふみ先生凄いや…

 

 

※前作感想

una-008.hatenablog.com