Liar-soft『エヴァーメイデン』タイトル画面
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伏線の出し方と、
物語への没入感を深めるビジュアルと音楽
後半の怒涛の展開
伏線回収の素晴らしさ
プレイ時間が短い(20時間弱)ながらも満足感のある
SFテイストで重厚な百合物語
【 ↓ 公式サイト様 ↓ 】
以降、ネタバレ注意!!!
※感想は概ねプレイ時の時系列順です
誤字や文法間違い等があるかもしれません
寛大な心でよろしくお願いします
※本ページには© Liar-soft様の著作物を引用して使用しています
これらの著作物を他へ転載することは禁止です
【一章】
『キャナリーはロビンに嫌われている?』
その理由がキャナリー自身が考えないようにしている
多分そういうところがロビンは嫌いなのかな
キャナリー
「ロビンには嫌われても仕方ないって、私、なんだかとても納得しているの」
アルエット
「どうして?」
キャナリー
「どうしてかしら。理由は自分でもよくわからないわ」
「あまり考えないようにしているの」
嫌われる理由を詮索しようしないキャナリーの事がちょっと怖いな、人間っぽくない
⇒読了後追記
キャナリーがロビンに別れを告げられた名残で、キャナリーは嫌われると思っていてしまう状態(伏線だらけで凄いゲームだ……
『少女達の交わりと、マコーとパヴォーネ』
マコーが森で交わる少女を見る、告げ口しようとしたけれどパヴォーネはその少女に理解を示す
マコーはパヴォーネとの手と手の触れ合いと、その少女の交わりが何が違うのか苦悩する
少女達を見たその後のマコーとアルエットの会話でのマコーの言葉が、マコー自身が自分の成績の低迷を示しているように感じた
「花ならまだいわ、好みの範疇だもの」
「でも、好きな人のためにしか、ものを作れなくなったら?好きな人のために作ったものが、他の人に害を及ぼしたら?」
「……自らを律せないメイデンは、役に立つどころか有害なのよ」
⇒読了後 追記
マコーは真面目だからそこ色んな事を真剣に考え過ぎているから、純粋に造化だけに思考を向ける事が苦手なのかなって思う(でもそこがマコーの良いところ
『クレマチスの乙女』
森で交わっていた二人の少女(ロネット・レン)
クレマチスの花言葉は「精神の美」「旅人の喜び」「策略」
ロネットはレンの事をクレマチスの様だと言っていた。そのことから素っ気ない素振りだったロネットが、レンの事をどう思っていたかを考えてみる
ロネットは花言葉が「精神の美」であるクレマチスと例えた所から、レンが自分を想っていてくれる事(精神)を美しいものって思っていたんじゃないかな。
プエラリウムという閉鎖された学園で、則で禁止された事に及ぶというロネットの行動を考えると、レンの想いが、自分の心が、規則を超えた尊いものだと感じたから事に及んでいるんだろうな…って思う
【二章】
『パヴォーネがマコーのためのドレスを創る』
肌の露出、化粧、衣服の持ち出し、色んな則を破ってパヴォーネがドレスをつくり、マコーに着せる
パヴォーネがアルエットとの試験で落ち込んでいるマコーの事を励まして、喜ばせるために着飾って慰める
パヴォーネ
「あたしはあんたに着せたかったの。あんたが着た姿を見たいのよ」
マコー
「どうして」
パヴォーネ
「あんたのための服だから」
でも後すぐに、
マコーはパヴォーネとの距離の近さから、クレマチスの乙女となってしまったロネットとレンの事を思い出して嫌な気持ちになる
でもパヴォーネが想いを寄せてくれる楽しい時間でもあるという、板挟みになる複雑な気持ちが描かれていて良い……
>ドレスを着終わった後の描写
化粧を洗い落とし、おさげを結いなおし、眼鏡をかける。鏡の中にちゃんと「自分」が写るようになって、安堵の吐息が漏れた。
けど同時に、魔法の時間が終わってしまった寂しさも、ひしひしと感じられた。
『ルクは何処から来た?』
夢の中で病気の床に臥せるルクが思ったこと
枯れる薔薇を造ることは、わたしにとっての不得意分野だ
「……私は」
「そんなことすらも知らなかった」
枯れる薔薇を知らないってことは、外の世界で本物の植物を見たことなくて造化したものしか見たことないから?ってことはルクの生まれは学園?
⇒読了後 追記
目の付け所は良いけど予想は外れ
枯れる薔薇の作れない所を深読み出来なかった
『過去、マコーがパヴォーネを意識した瞬間』
マコー自身がそんなに気にしたことの無い事(ひまわりや瞳の色)を、パヴォーネが覚えてくれていたから、マコーはパヴォーネの事を特別に想うようになった
以下のセリフにそれが滲み出ていて素敵って思った
瞳だけが綺麗でも意味はないと思っていた。最終的に美醜を決めるのは造作だし、私自身が自分の外見というものに興味を持ってない性質だし、どうせ眼鏡越しでよく見えないし。
けれど――生まれて初めて、そういう瞳で良かったと思った。
海を知らないパヴォーネが、この瞳を介して幻の海を見てくれるなら。
『マコーとパヴォーネの情事』
佳いえちちなシーンだ、これは……
気持ちが通じ合った二人が「気持ちいい」や「安心」を求める行為の描写が凄く良かった
マコーの感じている時の声も凄く可愛くて良かった(声優さんって本当に凄い
【三章】
『キャナリーのロビンへの恋』
どうしてロビンの事を好きになったのだろう?
きっかけというものが分からない
あと恋を体験してみようとキャナリーにキスをするロビンがロビンらしいなって思ったw
⇒三章進行後 追記
以下の二つからキャナリーはロビンに惹かれていったのかなって思った
- 二人で同じ夢を見ていて、それが過去の自分たちかもしれない。その過去でキャナリー自身がロビンに惹かれていた事を知ったから
- キャナリーの自分で何かを決めることが難しい性格だから、正反対なロビンに憧れる気持ちから
『ロビンにギャップ萌え』
ロビンがメイデンコルセットを外した際のシーン
ロビンは珍しく少しだけ頬を赤らめ、拗ねたような口調で伝えてきた。
ロビン
「肉体的な昂進を伴う愛情が強く作用したため、妨害を上回ったの」
キャナリー
「にくたいてきな……こうしん……」
ロビン
「……要は、あんたとヤりたいあまりに、外せた」
セリフだけを抜き出すとふしだらかもしれないけど、論理的で冷静なロビンの口からこんな言葉を聞けるとは萌える!最高に萌える!!
かわしまりのさんボイスだから更に萌える!!!
【四章】
『異造化しても抗うパヴォーネ』
マコーの事を絶対に思いだすんだ、という一途で純粋な強い気持ちを以下の想いから感じられて心を打たれた
喩え「悪しき種」がこの身に蔓延ろうと、もう見失うわけにはいかない。この世で一番愛しい人のことを、二度と忘れたくない。
黒いダリアは、彼女にこそあげたい。
黒いダリアの花言葉は「優雅」「力強さ」「勇敢さ」「威厳」
マコーの心の強さ、長女である威厳など、パヴォーネがマコーに寄せる想いを感じられて素敵
あと最期にパヴォーネが「マコー…」って呟いたシーンで涙腺が崩壊した
『純粋で傲慢なアルエット』
野に咲く花が好き、生命が好き、生きものが好き、旅が好きなアルエットがルクを救いたがること。
以下心情描写でアルエット自身も自覚している様に、ルクからすると嫌がらせもいいところ、何だろうなって思う
あなたは、『人として生きる』ことなんて、欠片も望んでなかったのに……
私は、あなたが心を殺すことを許さなかった。あなたにとっては毒にしかならない、花の柔らかさを教えようとした
ガラスドームを内側から押し破らんばかりに繁茂する花たちが、脳裏に過る。
アルエットにとっての心は、あんな形をしている。様々な色彩が奔放に揺れ動き、生きる喜びを歌っている。
ルクにとって、それは恐ろしい光景なのだろう。知りたくなかった生命の手触りなのだろう。
結果としては以下の様な色んな理由から、ルクは今までの価値観を乗り越えて、生命の尊さを受け入れて、自分自身を許する事でアルエットと共に生身の人間としての生を歩み始めたんだなって思う
- 過去、非常識で床に伏せていた自分を親身になって支えてくれたこと
- 青いバラを気に入ってくれたこと
- 殺したはずのアルエットの事を忘れられない自分
- メイデンの皆を、異造化した学友を、殺してしまった罪の念
↓以降:アヴェルラ編について↓
『アヴェルラの出自』
中央で忌み嫌われる性交によって生まれた人間
それ故に、周囲から虐げれられる。その髪型も外縁部の娼婦のものを模している(アルエットに褒められて嬉しくなさそうにしていた理由がコレ
『アヴェルラEND』
むち打ち中の純情なアルエットの言葉に、アヴェルラは自分自身の精神的な汚さを見抜かれてしまう。そしてアヴェルラが憧れる高潔なルクと仲の良いアルエットを自分のものとしたくなる
エヴァーメイデンとなっているルク(本体)を殺して、世界を作り替えて自分好みのアルエットを作り出す
どこか歪んだようで、ある意味では一途で、物悲しい王様。そんなアヴェルラの姿が純愛だなって思った(ヤンデレ?
【考察・情報まとめ】
『時系列まとめ』
大きなイベントを時系列でざっくりまとめました
ー過去ー
- プエラリウム
メイデン計画始動 - ルク
旧型を用いてエヴァーメイデンとの接続実験を成功 - アルエット(本体)
エヴァーメイデンの旧型内に迷い込む - オルロ(エヴァーメイデン)
アルエットの機械人間(ホムレム)を作成 - ルク
アルエット(機械人間)を「滅びの庭園」にて殺害 - ルク
暴走事故を起こしプエラリウムの地下を破壊 - オルロ
暴走事故によりエヴァーメイデンの機能が一部を除き剥奪
旧型内でしか存在出来なくなる、学園に居るオルロは機械人間 - アヴェルラ
暴走事故により地下室で怪我を負う
エヴァーメイデンの機能不全が発生。
それにより抜け出した「歪んだ花嫁(ネバーメインデン)」と同化 - ルク(本体)
新たなエヴァーメイデンとなる - オルロ
アルエットの望み通りアルエットの機械人間を作り、プエラリウムへ送る
ー物語開始ー
- アルエット(機械人間)
エヴァーメイデン旧型内から地下室へ移動
地上へ出た後、礼拝堂前で倒れる - マコー
アルエット(機械人間)を助け礼拝堂に連れて来る - ルク(機械人間)
殺したはずのアルエットの登場に動揺
心拍が上昇しエヴァーメイデンの心臓に当たる「時計塔の鐘」が鳴る
ー各章ごと(×3回)ー
- ルク(機械人間)
異造化した乙女を屠るたびに、アルエットの機械人間を殺す - オルロ
アルエットの機械人間を作り、プエラリウムへ送る - アルエット(機械人間)
地下室を通り礼拝堂内で目を覚ます - ルク
殺したはずのアルエットの復活に気付く
自分が生み出したものだと思い込んで混乱を深めていく
『プエラリウムの七不思議』
オルロがアルエットに学園の秘密を少しずつ開示していくための方便
その「嘘」と「真実」をまとめてみました
- 滅びの庭園
噂:その森にいくと酷い目に合う
真実:ルクがアルエットを殺したと思ってる野花が溢れる場所
ルクがエヴァーメイデン掌握時に草地に変えた - 歪んだ花嫁
噂:乙女像が動いて人を襲う
真実:秩序なく人を襲い異造化するネバーメインデンの事 - 時計塔の鐘
噂:鳴ると世界が滅びる
真実:エヴァーメイデンの心臓の新型に当たる場所
ルクが動揺すると心拍数に応じて鐘が鳴る - 礼賛祈堂に空いた地獄への門
噂:メモ忘れました…
真実:地下研究室への入口 - 図書館の禁断書架
噂:早朝の図書室で居世界の書物を読める
真実:エヴァーメイデンの心臓の旧型に当たる場所
前の神様であるオルロがいる - いないはずの生徒
噂:誰かの名前を思い出せない
真実:オルロやルク、神様達の干渉 - 七不思議を全て知った者は怪異に連れ去られる
⇒お茶目な神様(オルロ)の完全な嘘
【さいごに】
ここからは雑多に、適当に、ダラダラとした感想です。
・・・
・・・
・・・
・・・
マコー/パヴォーネ尊いなあ!!(クソデカボイス
マコー/ロビン
アルエット/ルク
アルエット/アヴェルラ
他のカップリングも好きだけど、やっぱり一章~四章までの積み重ねが深いマコーとパヴォーネが好き(多分感想の文量的に二人についてが一番多いんじゃないかな、エンディングの抱き合う二人が幸せそうで嬉しい限り…
とにかく寝不足になるくらい夢中にプレイしましたね
クリックが止まらない系で、続きが気になりすぎていつまでも終われないw
そしてプレイを終えて軽い放心状態
やり切ったって思いと、もう終わってしまったかって思いでロスト感が強い
満足感のあるゲームだと、より放心状態が大きくて長い気がする……それだけ楽しめたって事だ!いい事だ!!
前半の伏線の出し方と、物語への没入感の深さ
後半の怒涛の展開と、伏線回収の美しさ
プレイ時間が短いながらも素晴らしい物語って感じです
それと何で学園に男が居ないのか少し考えましたが、
男は性欲が強すぎて抑えられなそうだからエヴァーメイデンに相応しくなくて、呼ばなかったのかなと(笑)
それとも単純に先代のエヴァーメイデンの象徴であるオルロが、女の子のビジュアルだったから?
それとライアーさんのゲームを始めてプレイしましたが、初手にとんでもないゲームを引き当ててしまった感が凄いです(笑)
ライアーさんで積んでるゲームもあるので、崩していく優先度爆上げですね
さいごにオルロ可愛いよ、オルロ。
本当の名前は『人工全脳EVE typeR-Maid-E・N 0L0R』
不完全で壊れかけな神様、萌え…
ビジュアルが超好き、かわいい(癒し枠
くせっ毛をモフモフしたい