Liar-soft『フェアリーテイル・レクイエム』タイトル画面
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ある理由で決して万人にお勧め出来め出来ませんが、
イラストとシナリオの相乗効果による物語への没入感
狂った世界でプレイヤーの心が置いてけぼりにされる不思議な感覚が唯一無二
童話が好きな方に、お勧めしたい物語
【 ↓ 公式サイト様 ↓ 】
以降、ネタバレ注意!!!
※感想は概ねプレイ時の時系列順です
誤字や文法間違い等があるかもしれません
寛大な心でよろしくお願いします
※本ページには© Liar-soft様の著作物を引用して使用しています
これらの著作物を他へ転載することは禁止です
【共通】
『患者を食い物にするオトナ』
- アリスやグレーテルを健康診断と称して舐めるように視姦して、胸に触れるオトナ
- ラプンツェルの思い込みを利用して夜に棟に登り、彼女を抱くオトナ
うん、オトナがすっごい気持ち悪い
エロゲだから出来る表現だな…って思う。僕の心の変なところがきゅーって縮んで嫌な気持ちになる
このシーンってラプンツェルは王子と交われる幸せに浸っていて、王子様(楽園の施設員)はただ自分の欲望に従って女を抱いていることから、ある意味二人とも満たされている
強姦みたいに一方が苦痛を得ているわけじゃないから、何かもどかしく嫌に感じるんだろうな(レイプだと犯している側を完全に悪に出来るから、素直に悲しい思いになれる。言いたいこと通じるかな?
『主人公のナナシ』 ※以降も主人公を「ナナシ」と呼称します
「フェアリーテイル・レクイエム」という物語の主人公を演じている?
服装も何か他の物語と関連性は感じないし
⇒読了後追記
読み外れ
ナナシも楽園の実験で自我を壊された犠牲者だった
【ゲルダ√】
『アリスの首吊り自殺』
本来のゲルダの心の傷にも関係しそうな、首吊り自殺
アリスが本当に正気を取り戻したなら、今の自分の現状を嘆いて自殺するのは理解できる
>アリスからゲルダへの手紙の内容
「あなたのおかげで、色々と思い出せました。
思い出せてよかった。ありがとう、ゲルダ」
「私を愛してくれた人たちに会いに行きます。
いっぱいの愛を込めて、アリス」
手紙の内容を見るに、アリスの心の傷は愛してくれた人(両親や家族)が亡くなってしまったことなんだろうか。
亡くなった家族に会いたくて、楽園から逃げたくて、自殺って手を選んだのかな
⇒読了後追記
- アリスの心の傷(自分のせいで家族を失ったこと)はおおよそ合ってた
- ゲルダの心の傷は楽園に来る前に、ナナシが虐められ首吊りのさせられていたところを見た記憶があるからそのがフラッシュバックした
『ゲルダEND』 ※END名は筆者が勝手に書いてます
ゲルダは物語のゲルダとして、ナナシの事をカイとして物語を終える
そのあとの二人に待ち構えている未来は何だろう?
『雪の女王END』
二人は氷と雪の世界となった礼拝堂の中で結ばれて(性交して)、冷たくなって、ずっと一緒にいる
体も二人で凍り付き、心は二人で死後の世界へいるってことなのだと思う
「雪の女王」として、「カイ」を凍らせ、自分のものにする。
それだけが彼女に許された選択だったのだから。
そうしなければ、ふたりがずっと一緒にいられる道はなかったのだから。
―氷の館で彼らは永遠に体を寄せ合うだろう。
【アリス√】
『ナナシの過去』
ナナシがアリスの発した「家族」って言葉に過剰に反応しているところから、ナナシも記憶を失う前に家族絡みで何かあったんだろうな…
子供じみた僕の心の声に耳を傾けるに、どうやら僕は、アリスが愛おしさとなつかしみを伴って「かぞく」と口にしたことが気にくわないらしい。
たったそれだけで、今までになくアリスを遠くに感じ、少しくらい意地の悪い目に遭わせてもまわないんだとそんなふうに思ってしまったらしい。
⇒読了後追記
ナナシは双子の兄と妹へ以下の問題を抱いていたから、過剰に家族って言葉に反応していた
- 兄:自分と正反対な性格で問題を起こす人で、その問題をナナシが解決していた
- 妹:外出時に兄への対応で目を離した隙に崖に落下し亡くなった
『アリスの過去』
家族で自動車に乗っているところ、事故に遭い自分以外が亡くなってしまった
ゲルダ√でのアリスの首吊り自殺時の手紙の内容と一致するから、多分そうなんだろう
『××××年、×月×日
××県××市郊外の山道を運転中の車が
事故を起こし、大破―』
『白い魔物END』
アリスが自分の過去を思い出し、そしてナナシがアリスの事を物語を演じるアリスではなく元の人間として生きて欲しい、そう願ってしまった
アリス
「ラプンツェルが言っていたわ。
愛し合うんはとても幸せなことだって。
このために生まれてきたと思えるくらいだって。」
「あたしは……。
あたしが何のために生まれてきたのか、
何のためにいまここにいるのか、知りたいわ。」
そしてアリスは現実(家族を無くしてしまったこと)を受け止めきれずに、ラプンツェルに教えて貰った生まれてきたための目的として「愛」という名の性交を貪るようにして物語を終える
『猫のない笑いEND』
アリスが自らの聖書に王子様と結ばれる一説を追記してナナシと結ばれ、終わらない物語を始めるところで物語を終える
「不思議の国のアリス」のチェシャ猫が笑いながら消えていく様に、ナナシは記憶を無くしながら笑う。その笑顔の先は純粋にアリスの紡ぐ物語しか見ていない
あと感想ですが僕自身アリスの事をハチャメチャで好き。BGMもアリスのテーマが一番好きだな~って思う
けど、二人とも決して現実に帰れらない様子で、何だか不安な気持ちになったな…
【オデット・オディール√】
『オディール……素敵!』
個人的にふわふわしてるオデットより、オディールの方が好きだな
様付けで呼びたくなる、高貴な感じ
あとオディール様とナナシのえちちシーン、ナナシの以下の心情描写が女の子っぽいリアクション過ぎて、ナナシおまかわ!ってなった
僕
(触られた……!
女の人に、こんなところまで……、
触られちゃた……っ)
あとあと、オディール様がナナシを犯すプレイがおねショタ感あってよき
オディール
「なら、どうなのかな、ボクぅ……?
初めてがこんな、無理やりで。」
『白鳥の湖 バッドEND』(オデット所持の聖書)
オディールはオデットを大切に想っていて、オデットに化けて近づく男全てを試す。そして試して男は全てオディールに惹かれてしまう
下記の文とセリフがオディールの愛で溢れている
オディールにとって誰が一番大切なひとなのか。
オディールが誰のために片割れの男を奪い続けてきたのか。
オディールがどうして片割れに幸せな結果を与えたがったのか。全ては試験だったんだ。
お姫様を末永く、永遠に、いつまでも幸せにする―
本当にそんな物語を成し遂げられる王子であるかどうか。オディール
「どいつもこいつも、姐さんに近づく男はみんなそう。
姉さんの美しさに惹かれる癖に、すぐにあたしと見誤る。
―あたしなんかと姉さんを一緒にしないで!」
オディールがお姉さんであるオデットを簡単に壊れてしまう宝石のの様に、優しすぎるぐらいに過保護に守る姿が凄くよかった
オディールがナナシの部屋のモニターを知ってから、オデットに変装してあえて男に抱かれるくらいナナシにオデットの事を誤解させようとする様はもう、深すぎる異常な姉妹愛ですね……
ラストシーンのオディールの事が好きになりかけているナナシが、池の中で想い人に首を絞められ殺される所も、ナナシが狂いに狂ってて良かったな
あと終始オッドアイのせいでプレイヤーである僕自身が、オディールとオデットの区別がぐちゃぐちゃになってて、その混乱が面白かった(内心求婚してくれているのがオディールかオデットどっちでもいいとさえ思ってた。だってどちらも物語として面白いって想像してたからw
⇒読了後追記
オディールが一番好きだな~
『白鳥の湖 ハッピーEND』(オディール所持の聖書)
物語上はオデットと結ばれるハッピーエンドだけど、この結末はオディールが望んだもの
ナナシもオデットと結ばれる事を願うけど、その真意がどこかあやふやである事が以下のセリフから分かる
僕
「これで僕たちは、ずっと一緒だよ。
きみを決して、離さない」
オデット
「はい……はい……離さないで。
ジークフリート様……あなただけを愛します。
いつまでも―」
僕も、おそらくオデットも、気持ちは本物だ。
それなのに、なんだろう―おままごとみたい。地に足がついていないような、
翼も無いのに宙を飛んでいるような、不安が消えない―
このエンドって「白鳥の湖」的にはハッピーエンドだけど、個人的には全然ハッピーでは無い様に感じた
オデットがナナシに抱かれて幸せそうにしていたけど、僕自身の頭の中ではオディールの事が常にチラついていて「お前らの幸せはオディールが居たからだぞ……」って常に思ってましたw
まあ二人にとってはオディールを思い出してしまうと、残酷な現実に向き合うきっかけになってしまうだろうから、忘れるのが正しいとまでは言わないけど、その方が良いんだろうなって……
【グレーテル√】
『ナンバー管理された物語』
- 実験番号094:ヘンゼルとグレーテルで森に迷い、お菓子の家を見つける実験
ゲームのシーン鑑賞機能でグレーテルの物語に該当する個数を始めから数えてみると、グレーテル部分は93個目で終える(94個目はオディール
この「実験番号094」ってグレーテルの物語を終わらせて、次の新しい物語を進めるって意味を感じて何だかゾッとする(わざと?それとも偶然?
『青い鳥END』
お菓子部屋で犯されかけた拍子にグレーテルは「聖書」を焼失してしまう。現実を思い出して壊れてしまうグレーテルの前に、新しい聖書である「青い鳥」を見つける
「青い鳥」は、幸せの青い鳥を探して
チルチルとミチルの兄妹がたくさんの世界を旅する話だ。
「青い鳥」を見つけた二人はヘンゼルとグレーテルじゃなくて、チルチルとミチルという新しい兄妹となって青い鳥を探す旅に出掛け、物語を終える
童話の「青い鳥」の結末は家に帰ると鳥かごの中に青い鳥がいて、実は探していたものが身近にあるという結末だけど、帰る家の無い二人は青い鳥を探す終わりの無い旅に出ているんだと思うと何だかゾッとする
『ヘンゼルとグレーテルEND?』
グレーテルはコミヤに犯され、その復習として竃で奴を燃やす
その燃えゆく様をジッと眺めるグレーテル、という所で物語を終える
話の流れは「ヘンゼルとグレーテル」そのもの
だけど復讐の後、グレーテルとナナシ(ヘンゼル)が幸せに過ごせた未来が想像できないな……
【ラプンツェル√】
『ラプンツェルEND』
ラプンツェルの物語の様に、お話をなぞってナナシ(王子様)と結ばれる
だけどラプンツェルのお腹が大きくなったが、そこから変わらなまま時が過ぎている事が示唆されながら物語を終える
お腹の様子が変わらないのは、ラプンツェル自ら聖書を半分に破ってしまったから、物語が最後まで辿り着く力(信じる力)が無くなってしまったのかな?
⇒読了後追記
聖書のせいではない。
最期の「Requiem」編にてラプンツェルが子供が出来ない体である事が判明
だからこの√でラプンツェルのお腹が大きいのは「想像妊娠」であって、二人とも決して産まれることの無い子供を永遠と待ってるんだって思うと恐ろしすぎる…
『現実への帰還END』
ラプンツェルは自分の過去を思い出し、楽園としてのラプンツェルの役割を果たせなくなったから、誰も待っていない現実世界へと帰るところで物語を終える
【Requiem】
『ピーター・パンEND』
ナナシがピーターパンになりフック船長となったイケノを殺す。それが大きな事件となり大人が全て逃げ出したことで楽園を征服
遂に楽園が子どもにとっての本物の楽園となるところで物語を終える
特にこの結末良いなって思ったのが、
ゲルダがナナシの事を想って、自分の本来の記憶を消して「ウェンディ」に成り変わってまでピーターに付いていこうとするところが尊かった
ああ、奇想天外な展開に心がついていかない(笑)
狂ってるなあ~、この置いてけぼり感が最高だな~
『TrueEND』
大団円、綺麗に物語を閉じれてすげえ!!
レクイエムって言葉の通りに「オズの魔法使い」のドロシー(黒い少女)にとっての鎮魂になっていたし、ナナシの妹の鎮魂にもなっていたところがスッと腑に落ちた
個人的にはお話としてスッキリまとめてくれるのもありがたいけど、ヒロインズ達の狂気と幻想に寄り添う個別√の方が好きだなって思う
綺麗に大団円を迎える物語は沢山あるけど、個別√での意味の分からなさや狂った環境やおかしなヒロインに付き合う事こそがこのゲームの醍醐味だと思うのです(異論は認める
【設定・小ネタまとめ】
設定と小ネタをまとめました
- 楽園:実験施設、囚人収容施設、娼館を兼ねる施設
- つみびと:オデット
- 黒い少女:「オズの魔法使い」のドロシー
- 個別√:思考実験的な仮想現実、一種のシミュレーション
- GUESTカード所持者:首に運転免許証を下げている
- 楽園のビル:ゲームの鑑賞モードで確認すると三〇重工の文字
次に、ヒロインの個別√での聖書の扱いのまとめました
【さいごに】
ここからは雑多に、適当に、ダラダラとした感想です。
エヴァーメイデンに続けてフェアレクをプレイして、「海原望」先生シナリオ・「大石竜子」先生原画のゲームをすっごく楽しめました!!
最終盤で物語が綺麗に収斂していくシナリオと、不思議な世界観を演出するCGや背景が素晴らしかったです…
あとCGや立ち絵の色使いが凄いなって思いました(素人感)
ビビットでパステルなカラーで可愛さ溢れる感じですが、その中にどこか怖さや不気味があって物語へグングン引き込まれましたね
誰にでもお勧めできるゲームではない雰囲気ですが、強姦(レイプ)等に強い嫌悪感を抱かないならプレイをお勧めしたいな~って思いました。
好きなキャラは断トツでオディール、次はアリス。
好きなセリフはアリスの以下のやつ
アリス
「大丈夫、大丈夫よ!
世の中、わかったつもりでもわからないことだらけよ。
わからないなら、わかってしまえばいいの。」
何だか世の中の真理をついてそうだけど、何だかよく分からない感じが好き。
僕もフェアレクを何となくわかったつもりでプレイしたから楽しめたのかな!w