物語は心の栄養素

アニメや美女ゲなど、”物語”で感じた想いを保管するためのブログです

美女ゲ『徒花異譚』感想・考察 ~複数のお伽噺を渡り歩き、真実や永遠を求める恋物語~

ANIPLEX.EXE『徒花異譚』タイトル画面
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記憶を無くした主人公(白姫)が
4つのお伽噺の中を旅をしながら、
世界の謎真実に向き合うお伽噺。

少し不気味な演出とかはありますが、
少女マンガの様なストーリーでスッキリと読め、
全年齢向け&プレイ時間も短いので、誰にでもお勧めです!!

 

【 ↓ 公式サイト様 ↓ 】

adabanaitan.com

 

以降、ネタバレ注意!!!

 

※誤字や文法間違い等があるかもしれません
 寛大な心でよろしくお願いします

 

 

【各絵草子:解説】

[花さかじいさん]

『案内人の正体』

花さかじいさん=彼女の祖父

 

『徒花荒らし討伐』

  • 「花」文字
  • 桜の桃色の着物
    ⇒桜の木に登っている彼と初めて会った思い出の色

『彼女の物語へ込めた想い』

現実の彼女が彼との初めて会ったのが桜の木の下、そして現実の彼女は死という終わりに近いづいている

そんな彼女の境遇と逆で大切な愛犬の死から始まり、満開の桜で終わる物語を最初に(無意識に)選んだんじゃないかな

 

 

[浦島太郎]

『案内人の正体』

乙姫=彼女の家庭教師

 

『徒花荒らし討伐』

  • 「光」文字
  • 青色の着物
    ⇒海の色じゃなくて、彼が蔵の開け放った隙間から見える夏の光、空の色

『彼女の物語へ込めた想い』

華族という高貴な身分に生まれてしまったから、内心は自由にわがままに生きたいと思ってる
そんな想いの投影が、浦島太郎との永遠を望むわがままで恋する乙姫になったのだと思う

 

 

[うりこ姫とあまのじゃく]

『案内人の正体』

うりこ姫=彼女の妹

 

『徒花荒らし討伐』

  • 「鳥」文字
  • 緋色と金色の着物
    ⇒彼と徒花郷を、二人だけの物語をつくる事という決意という全ての始まり
    日の出、日の入り、緋や金が現れ混じる始まりの色

『彼女の物語へ込めた想い』

政略結婚で嫁ぐことへの疑問を腹のどこかで持ってるから、うりこ姫という殿様に嫁ぐヒロインの物語を選んだんだろう

 

 

[桃太郎]

『案内人の正体』

桃太郎=彼女の婚約者

 

『最期の漢字』

「現」or「夢」
⇒各ENDへ繋がる

 

 

【現実END】

過去を少しずつ思い出していかないとたどり着けない結末

花さかじいさんでは「花」の桜色の思い出を、
浦島太郎「光」射す夏空の青色の思い出を、
うりこ姫とあまのじゃくでは「鳥」の緋色と金色の思い出を、

徒花郷の黒筆の事も大切だけど、それ以上に現実の彼を想って帰ろうと強く決意しないと辿り着けない物語の終わり

 

読み終えて、凄く凄く読後感が幸せな気分になった。。。
現実の彼も彼女の事をずっと想って彼女の家の「書生」としてずっと寄り添ってて、その想いに答えるように彼女も精一杯現実と向きあう決意を胸に頑張るところが良かった

でも個人的に最期か亡くなるまでのどこかで、二人のキスシーンが欲しかったなって思う!!!
キスしてる二人を妹が見つけて「私のお姉様に何をしてるんだ~」って怒鳴り込んで来て欲しいw(願望)

 

 

【夢END】

夢の中なら、花さかじいさんも、浦島太郎も、うりこ姫も、白姫もずっと幸せに居る事ができる
あの蔵から白姫と黒筆は永遠ともいえる色んな物語に身を投じながら、健やかに過ごす物語の終わり

夢での白姫は幸せそうだから、現実の彼にとって願った結末のであったかもしれないけど、単純に良かったって一言で言えない様な、複雑な気持ち……

 

 

【BAD END】

夢の中で白姫が幸せになるわけではなく、現実で彼と彼女が再び出会えて幸せになるわけではなく、ただ厳しい彼女の死という現実がのしかかってくる物語の終わり

彼は彼女の語る夢物語をまとめた物語である『徒花異譚』を携えて、列車に乗って自殺に向かう。彼は彼女の後を追いたかったのだろうな……

 

 

【その他:感想・考察】

『綺麗でお伽噺』

  • 彼と彼女の純愛
  • 純白の着物が桜色や青、緋色、黒色に染まるシーンが素敵
  • CG、背景、立ち絵、その全てが凄く美しい

上記のような素晴らしい要素と少女マンガ的な物語の推移を辿る、綺麗なお伽噺だったと感じた

あと空想の世界に沈む終わり(夢END)と、現実に立ち戻る終わり(現実END)、その二つが双方納得できて綺麗な終わりを迎えるところも凄く良かった!

 

『黒筆が徒花郷に現れた理由』

黒筆は徒花郷の「徒花荒らし」であって、桃太郎を塗りつぶしたり白姫が嫌な物語を書き換え遠ざけようとしていた

この事から現実の彼女は自分から危険を遠ざけて守ってくれる、そんな存在(王子様みたいなもの)が欲しいと心の底から願ったから、そして過去共に蔵で過ごした幼馴染の事が忘れられなかったから、この黒筆が産まれたんだろうな

 

『黒筆のカッコよさ』

自分が「徒花異譚」の中の登場人物だという事は知っているからこそ、他の物語でのキャラクターの生きる道を閉ざす”紙魚”を許さないから自分の使命を全うする(もちろん白姫を思っての行動だけど

黒筆
「……そう。それはきみにしかできないことだ。紙魚の呑みこんだものを吐き出させて、墨に変える」
「そして、それを文字に変えるのはおれの役目だ」
何かの託宣のように力強く、黒筆は言う。
「物語に触れるというのは、想像のなかでもうひとつの人生を送るよなものだから」

上のセリフから、真っ直ぐな黒筆での想いが伝わってきて、現実の彼が物語が大好きな青年だったことが想像できる(大好きにしたのは現実の彼女、物語を超える愛ですね

 

 

『雑多な感想』

大石竜子さんの描くイラストが相変わらず素敵すぎる!!
18禁的なグロやエロいシーンはなかったけど、真っ白な雪姫が墨で色んな衣装に変わったりして最高に可愛かったし、黒筆もくるくるのテンパな感じがカッコイイ!最高!!

あと個人的に桃太郎の顔が良いのと、キャラデザが鎧と派手な装飾な感じが好きな奴だわ(同じ理由で乙姫も大好き

うりこ姫は髪の毛がピコピコするのが可愛かった~(最大の癒し

 

海原望さんシナリオ、大石竜子さん原画、さっぽろももこさんBGMのゲームは相乗効果で物語への没入感が凄いから一瞬でプレイしてしまう……w

エヴァーメイデン⇒フェアレク⇒徒花異譚を19日間で走り切ってしまった(笑)
個人的にはなかなか怒涛のペースでした

今冬、ライアーソフトさんから出る『蛟の巫女』がすっごい楽しみ(エヴァーメイデンチームの作品だったら嬉しいな