propeller『きっと、澄みわたる朝色よりも、』タイトル画面
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この物語の魅力を伝えるには、何を書いてもネタバレになりそうなのでふんわりと
・個性的な四人の友情
・主人公やそれぞれの過去と繋がるシナリオ
・クスッと笑えるギャグシーン
そんな要素が魅力的で素敵な秋ゲーです
【 ↓ 公式サイト様 ↓ 】
以降、ネタバレ注意!!!
※誤字や文法間違い等があるかもしれません
寛大な心でよろしくお願いします
感想は概ねプレイ時の時系列順です
【きっと、澄みわたる朝色よりも、】
※1週目
『四君子:幼馴染4人のこと』
中国の古事からの引用が多い印象、芸術が関わる重厚な雰囲気を感じれて好きだな
四君子(しくんし)とは、蘭、竹、菊、梅の4種を、草木の中の君子(徳の高いもの)として称えた言葉
それぞれの気品の高い美しさから、中国宋代より東洋画の画題としてよく用いられ、春は蘭、夏は竹、秋は菊、冬は梅と、四季を通じての題材
- アララギ:蘭(春)
- 崇 :竹(夏)
- ひよ :菊(秋)
- 春告 :梅(冬)
『新しい4人の関係性いいな』
ひよは笹丸に世話焼きで、そんな緩いひよを春告が睨んで、アララギがみんなをいさめてって感じ
仲良くない?所から始まるのがいいね
⇒読了後追記
仲良くない?は春告にも、アララギにも理由があった。久しぶりに出会うことに自分の気持ちが整理出来てなかったから
『ひよの話し方すき』
いつもどんな時でも論理立てて話すひよが、アララギに笹丸の事を好きではないかと指摘された時の反応がめちゃすこ
ひよ
「なっ、何を……す、好きなんて気持ちは、ただの化学反応ですわ」
⇒読了後追記
作品通した中でも一番好きなセリフだな~。笹丸と対等に話したくて、頑張って勉強したひよが理論武装して笹丸への好意を隠す所が愛にあふれててよき
『アララギの偽善の悩み』
誰にでも朗らかに、ふんわり優しく接するアララギの悩み
アララギ
「――”嫌われたくない”って気持ち」
「――”好きになってほしい”って気持ち」
「だから人は、他人に優しく接するのかな――?」
誰にでも優しく接するアララギだから、他人から偽善者だと思われてしまう
確かに誰にでも分け隔てなく平等に優しく接しているって、それは誰のことも特別に思ってないって事にも思えるから偽善を振りまいている様に見えるのかな
『素直に笹丸を好きになれないアララギがよき』
ひよが笹丸の事が大好きで、アララギはひよの事も友達として好きだけど笹丸の事もひよと同じで好き
だけどひよの笹丸への大好きが大きすぎて、アララギの好きがそれよりも劣っていると思えてしまって、それが脳裏にチラついている間はどうしても笹丸の事を大好きになれない
劣等感というか、そんな感情を抱えながら抱かれるのが嫌で笹丸とのえちちを拒んだのが、ふんわりと優しいアララギが凄く人間臭くて良かった
⇒読了後追記
えちちシーンが途中で中断って中々に珍しいけど、そこがこの作品の魅力だと思う
【今、確かに此処にいるあなたと、】
※2週目
『笹丸の過去』
父親からの虐待。たまたま与えられた辞書を逃げ場にするように読み漁り、年齢にそぐわない知識と言葉を身につける
いじめられるのは自分の役割だからと、ひよをかばったことから彼女との交流が始まった
『学園祭の標語』
無垢なこの世界、あなたなら何色に染める?
物語を語るうえでのキーワードは『色』のような気がする
- タイトル:澄みわたる朝色
- 笹丸の暴力の記憶:黒色
⇒読了後追記
色の移り変わりがやっぱり大切な気がした。
何でかっていうと、笹丸が真っ黒な暴力との記憶で塗りつぶされていたところを四君子の皆に助けられて、徐々に黒より強い白色で塗りつぶされていく。
そして心の中が真白なった笹丸が、白いキャンバスに向かい「前世で若と観た景色」や四君子で観た「澄みわたる朝色」を書き上げる
黒が白になって、そのキャンバスに色が乗る。そんな物語だと思った
『天井に蝶が浮かび上がる部屋』
「なりそこねの末路」と呼ばれる、棚のレイアウトが奇妙で天井蝶が浮かびあげる部屋での笹丸のひよのある会話が印象的
笹丸
「前略――、この部屋は作品に取りかかる時の”初心”を思い出させてくれる」
ひよ
「初心……?」
笹丸
「ああ。作り始めるときの、あの湧き上がるような衝動――」
「手探りで進めているうちに不安な気持ちに押しつぶされてしまう初心を、上手くいかないもどかしさに搔き消されてしまう初心を、いつだって思い出させてくれる」
「”お前は表現したいものがあって、この作品を作り始めたんじゃないのか?”って」
僕も芸術ほど高尚な物って訳ではないけれど同人小説を書いているときに、笹丸の言う初心の不安が凄く納得できる
完成されられるか不安で不安で仕方ないけど、表現したい衝動にかられて始めたって所は僕も同じ
⇒読了後追記
剝き出しの生徒会室と同じようなレイアウトで、更に同じように真ん中で蝶の模様が光る場所
若さんが自分の事に気づいて欲しくて、生徒会室と似たような部屋を無意識で作ったんじゃないかな~って思う
『番(つがい)』
春告と笹丸(ひよからの好意を相変わらず認識できていない時)の会話で、印象的だった”番”という概念
春告
「弱い人間は”守ってくれる相手”を本能的に欲している。逆に強い人間は”守らなければならない相手”を本能的に欲している」
「よく”あんとなく放っておけない”なんて気分になるのは後者の働きだ。そして、それはそのまま恋愛感情に発展し易い」
「”一人ではいきていけない”というのはそういう事だ。人は結局、そうやって”守り合う”生き物なんだ。強き者が弱い者を」笹丸
「それは……つまり、恋愛とかそういう事を言ってるのか?」春告
「恋愛というよりも、”番”と言った方が妥当かもしれないが」
このセリフの後に春告が言っていた「人は自分にないものを相手に求める」っていう言葉への理解が深まったなって個人的に思う
多分人間が文明社会の構築以前は、危険な大自然の中で各々が得意な事をしながら協力して生き延びてきた名残りなのかな
日本各地の色んな所をバイクで見てきてキャンプとかする僕の個人的な印象で言うと、日本でも山の奥地なんかだと文明の利器が無いと決して生きていけないって実感するし、人間一人だと山奥で熊や猪、鹿なんかに平気で殺されると思う
『悪い子を演じる青妹』
青妹は青姉が笹丸の事が好きであることを気づいていて、笹丸が良い子を好きなことも知っていたから、姉が良い子に見える様に自分は悪い子に見えるようにしていた
青妹
「そうだよ。あたしが”悪い子”になればなるほど”良い子”のねえちゃんが際立つのなら、ねえやんがにいやんに好きになってもらえるかもしれない」
「――だってにいやん、”良い子”が好きでしょう? あたしだってそれくらいは見抜けるんだよ」
青妹の事を全くもって理解できない存在だと思っていたから、今までの行動が理解できた。すごくすごくお姉ちゃんが好きな妹だったんだな……(健気すぎて浮かばれない
青姉妹の最後、良かったな……
【出逢いの数だけのふれあいに、】
※3週目
『若さん可愛いぞ…』
色んな物語上の伏線(前世、学園の意味、病の謎、etc...)が回収されつつ、若さんの可愛さが爆発しててよきよきだった(花柄の着物可愛すぎ~
終始よく分からなかった笹の前世に対する描写がスッキリと理解できて、若さんの笹丸やひよへの呼び名が伏線になってて良かった
- 笹丸 :じじい(秋姫の祖父)
- ひよ :おばあさま、おねえさま(秋姫の祖母)
- アララギ:おとうさま(秋姫のお父さん)
- 春告 :えーゆー(母親を退治しにきた英雄)
【この手は繋がっている。】
※現実
『反転した世界』
全員が反対の世界(現実世界)にシフト、ただ若さんだけは存在しない。
僕は若さんがかなり好きになれたから、みるくちー見るだけで悲しくなってしまう……
まあでも他の登場人物にとっては幸せで前向きな世界になったから、ヨシ!
【さいごに】
ここからは雑多に、適当に、ダラダラとした感想です。
後半の怒涛の展開にクリックがとまらないくらい、楽しめました。実際に季節にあった秋にプレイできて良かった~、なんか紅葉見に行きたいな。
さいごに、キャラクター別に思った事を適当に書いていくと、
「笹丸」
竹の様に真っ直ぐな性格で真っ直ぐで、いい子だなって思った。ツッコミのノリがラジオ番組のMCさんみたいに感じました(笑)
あとハゲに切れ散らかすのは一体何だったのか……w
「ひよ」
ビジュアルは一番好き。
笹丸との会話についていくために、たくさん勉強したんだって感じて好きの深さを感じた。めちゃくちゃいい子だったけど、一回くらいは呪いで暴言吐きまくる姿も見たかったな…
「アララギ」
報われない子っていいよね、好き。
散々書いたけど、えちちシーンで途中で辞めるところがアララギらしくて良い~
あとないちちかと思ったら、かなりあってビビりました。
「春告」
姉御肌でしっかりしてて、言動がぶっ飛んでて、好き。
ボケの嵐が凄まじいのと、色んな表情差分があって楽しませてくれて良かった~
笑顔で刀を構えて追いかけてくるシーンすこ
「若」
みるくちーは大正義、一番好きかもしれん。
お母さんが大好きだからずっとずっと過去に囚われてて世界を繰り返していたけれど、笹丸のおかげ?せい?で輪廻する世界が終わる。誰かに気づいて欲しいから生徒会マニュアルつくったり、色んな所にヒントを残していた所に弱さが見え隠れしてて良かったです。
あと生徒会室でのすしざんまいポーズはちょっと笑ってしまった、そんなシーンでは全然ないのだけどw