物語は心の栄養素

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ドラマ『沈黙の艦隊 ~東京湾大海戦~』感想 ~海江田という男が潜水艦で奏でる協奏曲の始まり~

ドラマ『沈黙の艦隊 シーズン1 ~東京湾大海戦~』
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原作漫画未読、アニメ未視聴なのでその違いとか軍事的、政治的な詳細な考察とかは知識が無いので全く出来ませんが、エンターテインメントとして、物語として、素晴らしかったので感想を残します。


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まずこの作品の良かった3つのポイントについて書いていきいます。

 

①小集団が独立を宣言して、大国に渡り合う力を身につけるところ

これは個人的に大好きな作品である「コードギアス」や「愛と幻想のファシズム」にも通ずるポイントです。

沈黙の艦隊」だと海江田が原子力潜水艦シーバッドを強奪して、持ち前の潜水艦乗りとしての技量や核でのブラフなどを用いて米軍の艦隊と対等に事を運ぶところ。
それと独立宣言を利用して核のブラフがあったとしても、日本籍の潜水艦では無いから非核三原則も曖昧に出来て、日本での寄港と補給を成し遂げているところとかがエンタメとして最高だった。

コードギアス」だとルルーシュがゼロの騎士団を作って合衆国ゼロに成長していくところで、「愛と幻想のファシズム」だと冬二が”狩猟社”を立上げ北海道の独立を進めていくところとどこか似ていて好きだな。

あと小集団(マイノリティ)だからこそ、米国などの超大国(マジョリティ)に対して、強者の正義の疑問を投げかける所も、現実世界の問題とリンクして考えさせられる事も素晴らしいと思う。
今(2024年3月)に進行しているウクライナパレスチナでの戦争も、大国の思惑が絡んだものだし、沈黙の艦隊を通して凄く考えさせられた。

 

②海江田 四郎の不気味さ、それを演出する大沢たかおさんの演技

他の方の演技も素晴らしいのだけど、大沢たかおさんの海江田が最高だった…

急速潜航とかでも後ろで手を組んで微動だにしないところとか、滅多に表情を変えずに瞬きしないところとか、不気味さを通り越して何か凄い存在である雰囲気がひしひしと伝わってきて素晴らしかった。

あとどんな作品でも、物静かでクラシックを嗜むキャラクターって大抵恐ろしく強い気がする(笑)

 

③各話でしっかりと面白いポイントがあるところ

各話でちゃんと見せ場のシーンが散りばめられてて、各話が面白くて引き込まれるから、一気見しちゃいましたね。

  • 【一話:シーバッド強奪】
    日本とアメリカの合同での原子力潜水艦を奪うって所に痺れた。海江田は一体いつから計画してたのだろうか…?
  • 【二話:やまと独立宣言】
    ここで物語へ一気に引き込まれた。シーバッドの文字が消えて、独立国やまとに切り替わるシーンはマジで鳥肌が立ちました
  • 【三話:米国第七艦隊との戦闘】
    核をちらつかせながら堂々浮上して、第七艦隊に避けさせるシーンは海江田の浅からぬ信念と覚悟が伝わってきて凄かった(語彙力
  • 【四話:海江田と深町の対立】
    シーバットとアメリカの潜水艦との対決の後に、海江田が深町へ日本との軍事同盟の締結示唆したところが凄くワクワクした
  • 【五話:日米首脳会談の決裂、戦闘】
    日米首脳会談で話している最中に、現場では第三艦隊・第七艦隊・やまと・自衛隊の戦闘が始まってしまうところとかが、お偉いさんと現場とのギャップが描かれてて良かった
  • 【六話:日本政府の苦悩】
    シーバットややまとの存在を国民に公表するために、竹上総理の記者会見を開いたり、海江田との会談を調整したりと日本政府側の様々な苦労を描いているのが物語に深みが出て良かった
  • 【七話:日本とやまとの同盟交渉】
    日本とやまとの平和条約締結に際して、アメリカ大統領から総理大臣に連絡が入った後に裏側では日本とアメリカの戦闘が始まる所が、人間の表裏を現しているようで良かった
  • 【八話:東京湾での戦闘】
    アメリカ海軍との戦闘を止めようとする日本政府と、潜水艦と艦隊の戦いが熱かった!あとたつなみが沈んだ後に海江田がたつなみを助けるか、それとも見捨てるかを静かに悩んでいるシーンで初めて海江田に人間味を感じて好きなシーンだ

 

次に超個人的な感想をダラダラと。

 

いやあ、とてつもなく面白かった。8話まで一気見しちゃいましたw
観て最初に思ったのが、「コードギアス」に似ているなってこと。僕はアニメーションをよく好んで観ていて、特に大好きな作品なので思い出しましたね。
まあ「沈黙の艦隊」の方が先(漫画は1988年~)なので、コードギアス側がオマージュしたんだろうけど。海江田のゼロレクイエムはどんな形になるんだろうか?楽しみだ

geass.jp

あと上記でも書いたけど僕が既読の中で雰囲気が近しい作品を挙げると、村上龍先生の「愛と幻想のファシズム(単行本:1987年)」何だろうなって思う。
発表年てきには「愛と幻想のファシズム」⇒「沈黙の艦隊」の順だから、「沈黙の艦隊」の艦隊は影響受けているのかな?
僕が生きている時代じゃないから肌感がわからないけど、そういう作品が現れる時代だったのかなって思う。

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最期に、久しぶりにドラマを見た気がしますがこの世は素晴らしい作品で溢れているなって改めて思わされた。
アニメとかばっかり見てないで、ドラマにももっと手を出さないとな~って思います(戒め