物語は心の栄養素

アニメや美女ゲなど、”物語”で感じた想いを保管するためのブログです

ラノベ『もしも明日、この世界が終わるとしたら2』感想 ~家族・愛そして不死性についてのお話し~

角川スニーカー文庫『もしも明日、この世界が終わるとしたら2』
公式HPより画像引用:https://cdn.kdkw.jp/cover_1000/322209/322209000309.jpg


ユーリと空の関係性が変わっていく中で「家族」「愛」「吸血鬼」について考えさせられるお話でとっても素敵だった!
新キャラがとても好きになれたので良かったです!!

 

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www.kadokawa.co.jp

 

 

!!!以降ネタバレ注意!!!

 

 

『愛は、呪いだ。』 P.194

2巻はユーリと空が互いの関係性を描いていくにあたって、「愛とは呪い」という言葉が印象深かったです。

具体的に誰が、誰を、愛したかというと

  • ヨル(吸血鬼)が愛したのは、本物のクリスの父親である老人(狩人)
  • 老人(狩人)が愛したのは、吸血鬼の奥さんと二人の娘
  • ライフライトが愛したのは、世界を救って滅ぼすことを決めた英雄

そしてその愛という呪いでどうなったかというと

  • ヨル(吸血鬼)は自分が死ぬことで、老人(狩人)が救われる事を願って
  • 老人(狩人)はどうしても吸血鬼を殺める事が出来なくて、何もできなくて
  • ライフライトは英雄に恋をしたせいで世界の滅亡に加担した贖罪として、人々を救うロケットの燃料になるべく鉱石(吸血鬼の命の結晶)になる事を望む

という様に誰かを愛してしまった人は、その人の為、自分のために重く苦しい選択を得る事を厭わなくなってしまっていて、まさしく呪いだなって感じました。
そこまで深く相手の事を想えるからこそ、紡がれる関係性が尊かったり(ヨルと老人の関係性とか)、なまじ苦しい選択を選ばざるを得なかったり(誰かのために命を投げうつ)して良かった。

呪うほど人を想えるって愛ですね。

 

 

『不死人の特徴』 P.284

不死者としてのヨルちゃんの以下の言葉が、”愛は呪い”を体現していて胸に残った。

一度優しくされたならそれでお終い。その人間のことを絶対に忘れならなくなってしまう。ヨルはそう言っていた。だからたとえ、愛しく思うその人に、嫌われ、憎まれ、誹られようと、不死人は、大切に想いたい人間の幸せだけを願ってしまう。そういう生き物なのだと、教えてくれた。

 

 

『ヨルちゃん可愛い』

僕は吸血鬼(不死人)の物語が好きなんだなって、しみじみ思った。
不死性があるから人間と同じ時間を歩めない事にもどかしい気持ちになるし、人間を愛してしまったら自分も死を迎えることの出来る存在になりたいって思う所が好き。
本作だと世界が限られた時間にある中で

本作では吸血を”娯楽”って形で描いていたけど、今後これが何か意味を持っていくんだろうかな~って楽しみにしている(ヨルちゃんが空の血を吸うことはもう無いんだろうけ

あと、あと、ヨルちゃんには幸せな最期を迎えて欲しいなあ…としみじみ思います。お父さん(老人)とゆっくりとした時間で人生(吸血鬼生?)を謳歌して欲しい

 

 

『もし世界が明日終わるとしたら』 P.335

ヨルから空に対する問い掛け。

「教えてよ、空。どんなに足掻いても。どんなに助けを求めても。どうしたって明日、その世界が終わるとわかっていたら……。どうしたってその運命を変えられないのだとしたら。そんな限りある者たちの中で、あなたは今、何を願うの? その選択に、本当に、後悔はない……? いつだってわたし達は、目には見えない何かにそう問いかけられているんだよ。きっとね」
それだけを言い、ヨルはすぅと姿を消した。

吸血鬼(不死者)から人間へ問い掛けとして、以下の点がいいなって思った。

  • 人間として有限な人生だからその選択が後悔のないものかを訪ねてくる(吸血鬼は死なないゆえに後悔って考え方が希薄だから)
  • 世界の終わりが見えているから吸血鬼であったとしても、人間から後悔の無い選択を学ぼうとしている

そしてその問いかけが僕自身(筆者)に投げかけられているようで、僕も悔いのない選択をしたいなって改めて思わされた

 

 

『さいごに』

まあとにかく2巻も面白かったです
読み始めたら、読み終わりまで一瞬でした!!

新キャラのヨルが凄く可愛くて、お父さんとの関係性も良くて次巻が凄く楽しみですね。

 

あと個人的には1巻の感想の時に「獣の王」が「英雄」の好きな女の子だったから英雄は世界を滅ぼす事を決めたんじゃないかと考察していたので、それがドンピシャで当たったので凄くびっくり、そして納得でした(英雄君…心中お察しします

 

↓ 1巻:感想

una-008.hatenablog.com