オメガスター『美少女万華鏡 -理と迷宮の少女-』タイトル画面
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シリーズ最終作として、前作までに示された謎が次々と回収されていく。
- 何故、万華鏡を覗くと愛の物語が見えるのか
- 何故、深見夏彦は怪奇小説を書いているのか
- 何故、人形の間に惹きつけられるしまうのか
「一面の彼岸花」・「謎の白無垢」・「祀られる狐」・「不思議な神社」
神秘的な和の世界観で紡がれる、万華鏡を巡る世界を締めくくる物語。
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以降、ネタバレ注意!!!
※感想は概ねプレイ時の時系列順です。
誤字や文法間違い、解釈違い等があるかもしれません。
あくまでも個人的な想いなので、寛大な心でよろしくお願いします。
『蓮華に萌える…』
前作までの蓮華は人形の間にだけ現れる不思議な存在だったけど、本作ではいつも姿を見せて深見と積極的に交流してて、特にご飯をモグモグと食べているSD絵がクールなイメージとギャップがあって可愛いい~(悶え
蓮華
「モグモグ……うん、この栗ご飯すごく美味しい。それにジュンサイの味噌汁がすごく合うわ。ねーねー、そう思わない?」
ここのセリフの「ねーねー」が可愛すぎて、うわぁって声出ちゃった……
『蓮華に萌える…2』
深見が起きて、その目線の先に布団の中に蓮華がいたシーンのCGの蓮華の表情が凄くいい!!!
お口が緩やかなW字を描いていてニンマリとした表情が、蓮華が深見を弄んでいる感じが伝わってきて凄くよき……(やっぱ八宝備仁先生の描くお口大好きだわ
あとオフトゥンで美少女と同衾とか最高かよ、蓮華の綺麗長い黒髪を永遠となでなでしたいな……
『深見が蓮華に惹かれていく過程の描写がよき』
美少女万華鏡シリーズの常として、主人公は普通じゃないヒロインに惹かれていくもので、深見も座敷童の様な実態を保つことも儘ならない、蓮華という存在に惹かれていく。
その理由は深見が幼少期に一人で本ばかり読み妖怪が溢れる空想世界に浸かり、常にこの世に存在しないようなものに惹かれるようになった。
だからその怪異への興味や趣味の延長線上で怪奇小説を書くようになり、人形部屋で蓮華に出会い万華鏡を覗き不思議な世界に案内され、蓮華の事に興味を持っていく。
そして蓮華の事をもっと知りたいという興味が徐々に膨らんでいって、やがて恋心の様な物になる描写が良いと感じた。
⇒追記
深見夏彦が蓮華に惹かれた一因は前世である彦一が狐の娘に恋をしていて、魂のどこかで普通の人間では無いあの人(狐の娘)を探し求めていたから。
彦一の思いがあの人を探し求めるというきっかけで、夏彦は蓮華と出会った。その様に馴れ初めは前世の想いからだけど、蓮華と交流を深めたのは夏彦自身が選んだ結果。
だから夏彦と蓮華に惹かれるのは、夏彦自身の想いが募ったものだと感じれた。
『蓮華が夏彦に惹かれた理由』
蓮華自身、自らが人間ではない不思議な何かであると知っていて、なおかつ人間に触れられないし、気づかれないから孤独な毎日を過ごしていた。
そんなある日、自分を知覚してくれる人間、夏彦に出会い何回かの交流の内にその孤独が埋まっていくことを感じていく。
そして学園での怪奇現象を解決するために旅館を訪れた夏彦や皇、香恋と交流を重ねることで、独りではない暖かさを感じていく。
その暖かさを蓮華は知ったからこそ、夏彦への気持ちがどんどん大きくなったのだろうなって感じた。
⇒読了後追記
夏彦と同じく蓮華も輪廻によって互いに惹かれ合う理だったのかもしれないけど、この世界で積み上げたものは唯一無二で尊いものだと感じたな…
『夏彦が蓮華に教室で手コキされるシーンがよき』
夏彦が蓮華に後ろから抱きつかれて、蓮華に主導権を握られるシチュが好きだな…(美少女万華鏡シリーズで女性優位に目覚めかけているかもw
あと夏彦の表情が恥ずかしくも嬉しがっている様な表情なのもよき。
それと夏彦が蓮華に隠語を言わされている以下のシーンが、夏彦おまかわ!かよって感じた(主人公がこういうセリフを吐くのって珍しい気がした
深見
「い、イキますっ……大好きなかわいい蓮華の手で、いやらしいおちんちんいっぱいこすられてっ、精液どぴゅどぴゅしちゃいますーーーっっ……!!」僕は叫んだ。
物凄く恥ずかしい気持ちと……何処か開放されたような、清々しい気持ちがあった。蓮華
「……い、言った、わね……恥ずかしい言葉を……」何故か嬉しそうな蓮華だ。
『怒涛の展開に読み進める手が止まらなかった』
後半の怒涛の展開をざっとまとめると―
もよかに憑りついた狐の怨念を払う最後の瞬間に、狐が夏彦の精神を切り裂き、夏彦の精神が回復不能に陥ってしまう。
そこから精神世界(万華鏡の中)で蓮華と再開し、ひと時の夢の幻想として夏彦と蓮華は結ばれる。
そして二人は精神的にも肉体的(無いけど)にも仲を深めていき、蓮華はある告白をする。
それはもよかに憑りついた狐は、蓮華が前世で愛する人を失った時の怨念が残滓として残っていたという事。
だから蓮華は自分の愛する夏彦を、過去の自分の感情の残滓の様なもので殺してしまった事を悔いる。
蓮華
「化け狐に落ちてしまう程に……恋に狂った最低の女……」
深見
「……」
蓮華
「もう、分かったでしょう? 全て私のせいなのよ……」
蓮華は愛する人をも殺してしまう自分なんか消え去って、夏彦だけ生きて欲しいと願う。
だけどそんな蓮華を夏彦は否定して、一緒に輪廻する事を選ぶ。
過去二人の魂は輪廻しながらも結ばれる事は無かったけれど、愛し合う二人は再び輪廻する事選んでまた巡り合う――
こんな感じでスッキリ美少女万華鏡シリーズとして、物語を〆れるENDで好きな~って思えた。
最初に名前を入力させたのも、輪廻後に主人公へプレイヤーが自己投影出来るような仕掛けになってて、自分の名前(宇那)を見た時は震えた……
ほんの少しだけのネガを言えば、僕のプレイスタイルとして主人公とヒロインを陰からそっと見守る壁の様な存在になりきりたかったので、輪廻した蓮華と結ばれるのは夏彦であって欲しかったけど、面白かったのでヨシ!!
『好きなセリフ』
蓮華が夏彦に「私の事を忘れて現実に戻って生きなさい」と詰めてくる反論として、夏彦が蓮華への想いを伝えた以下のセリフが好き。
深見
「僕が求めていたのは、君との束の間情事や、燃え上げってもすぐ消える燐寸の火のような恋じゃない」
「君が言ってくれたように、朝『おはよう』って言って、夜『おやすみ』って言える、其れが毎日続く……そんな関係だ」(中略)
「僕は物心ついた時から、ずっと何かを捜していた……自分の居場所は此処ではないような気がしてた」
「其れが何かは分からなかった……怪談や異類婚姻譚に答えを捜していたけれど……僕は遂に其れを見つけたんだ」
「僕の居場所は、君の隣だ」
「僕が捜していたのは君なんだ」
「ねえ蓮華……この広い世界で、宇宙の銀河系の中で、僕は君に会えた」
「その奇跡を手放したくないと思うのは、我儘ですか?」
夏彦が蓮華にただ燃える様な恋をしている訳じゃなくて、パートナーとして隣にいて欲しいっていう彼の気持ちが伝わってきて、誠実で素敵だなって思ったな…
『前作までの4作品の存在が腑に落ちた』
夏彦は蓮華と一生結ばれるために、色んな愛を探していた。
そして夏彦が万華鏡を覗いて得られた愛について作中で、以下の様に述べられていた。
- 呪われし伝説の少女:無償の愛
愛する人の為なら自分の命すらも投げ出せるような、そんな愛
⇒滋比古がキリエに尽くす愛 - 忘れな草と永遠の少女:決して諦めない愛
どんなに時間が経ってもその人の事を忘れない、そんな尊い愛
⇒雫が意識を取り戻さない彰人への決して諦めない愛 - 神が造りたもうた少女たち:真実の愛
素直になる事、決して自分を偽らない
⇒龍之介がドロシーとアリスに向けた家族愛 - 罪と罰の少女:仮令禁止されても貫く愛
背徳的で道ならぬものであっても、其れを振り返らない、そんな純粋な愛
⇒夕摩と夕莉の姉弟愛
夏彦は万華鏡で色んな愛を知ったからこそ、
- 蓮華の過去の怨念に殺されかけても愛し
- 蓮華と一緒にいることを、例え輪廻しても諦めないし
- 蓮華に想い伝え、好きなことを偽らずに生きる決意をし
- 蓮華が例え人間で無くとも愛する
そんな夏彦が4作品の想いが乗った選択(輪廻する)をするのが良かった…
『万華鏡を覗いた世界が狂っている傾向である理由』
蓮華という存在は人間の怨念の澱が集まって出来た精神体、そして万華鏡にはその怨念とかの負の感情が詰まっている。
だから万華鏡の世界には、どれもこれも狂った様な人物が多い。
そしてその狂った人達が紡ぐ愛の物語だからこそ、愛憎に満ち溢れたものとなったのだと思う。
『香恋END』
僕は蓮華ちゃんLOVEなので、駅で蓮華と別れるシーンが辛かったよ…
蓮華
「貴方が無事なら……私はそれだけで……」
別れ際のこのセリフが蓮華が夏彦を守ることが出来たけれど、前世の様な関係性を築かなかったから内心複雑な気持ちが伝わってきて…ね
『もよかEND』
もよかに憑りついた狐は彦一を愛していたから、もよか×夏彦はある意味純愛なのかな…(ちょっと心がついていかないけど
個人的にもよかは小動物感あって可愛らしくて好きだったけど、本来のもよかは幸せになれなかったから少し悲しい
【さいごに】
ここからは雑多に感想を書いていくよ。
1作品目から最終作まで一気に駆け抜ける事が出来て、本当に楽しかった!!!
美少女万華鏡シリーズを通して、八宝備仁が描く人間の裸体の美しさやエロティックさを知れて最高だし、何よりお口の描き方が大好きだわ…
あとそれぞれの作品が割と独立していたから、スルスルと読み進める事が出来たし、それぞれが独自の魅力を持ってて常に味変しながら楽しめた気がします。
個人的には4>5=3>2>1って感じの順番で好きですね、狂っているキャラが多い世界が好みでした。
次に、各キャラクターの感想をば。
『夏彦』
怪奇小説を書いている理由と背景が丁寧に描かれていて、1~5の作品群が繋がる設定がお話として上手い構成だなって感じた。
あと口ぶりが蓮華など誰に対しても平等に丁寧に話していたのが、オラオラしない陰キャっぽい感じが滲みてて良かった。
『蓮華』
僕はロリな蓮華の方が好きです(異論は認める
着物からはだけるシーンでスラッとした四肢が現れるのが良くて、着衣での(特に着物)えちちシーンが特にエロティックで良い~
あと蓮華が狐と戦っている時に、爪の攻撃?を万華鏡で凌いでいるシーンが、ちょっと想像したらシュールだなって思ったなw
『もよか』
可愛らしデザインで元気っ子な感じが良かった。特に高瀬先生との絡みが色々と笑えて、凄く楽しかったな。
あと狐に憑りつかれてない彼女の姿を見てみたかったという願望…
『皇』
クールな感じかと思わせて、小動物大好きなギャップが可愛かった。
あと夏彦が妖怪狂いなのと対比して、皇が現実路線に引き戻して話を展開して別視点を与えてくれるので、物語の謎に対して色々な見方が出来て面白かった
凄く楽しめたシリーズになったので、「ゆきおんな」の発売が待ち遠しいです!!
※4/21追記
SS(ショートストーリー)を書いたので、良ければどうぞ
#美少女万華鏡 -理と迷宮の少女-⛩️
— 宇那 (@una_008) 2024年4月20日
SS(二次創作ショートストーリー)書きました✍️
ネタバレ注意ですが、よければ読んでいって下さいね。
【あらすじ】
蓮華と夏彦が4つの世界を旅し、花言葉で繋がりながら、本編の結末へ繋がっていくIF物語
(1/3) pic.twitter.com/KBCtQs2jsP
↓ 前作感想 ↓